ケメックス CHEMEXを買取ります
ケメックス CHEMEXはドイツ生まれのアメリカの科学者ピーター・シュラムボーム博士によって考案されたコーヒーメーカーで、ドリッパーとポットが一体となったデザインが特徴です。
誕生以来、世界中のコーヒー通から愛され続けているコーヒーメーカーで、同時期に誕生した乳白色が特徴的なファイヤーキングとの相性が良いコーヒーメーカーとしても知られています。
ケメックスの産みの親であるピーター・シュラムボーム博士は、ドイツ・キールの裕福な家庭に生まれ、ベルリンで物理化学の博士号を取得した科学者で、ケメックスの三角フラスコと漏斗を合体させたような独特の形は、実験室の転がっているフラスコをコーヒーメーカーの代用として日常的に使用していた事をヒントに生み出されました。
ピーター・シュラムボーム博士はこのコーヒーメーカーの生産を試みようと思いましたが、当時は第二次世界大戦中で、ガラス製品は軍の許可なしに生産する事ができませんでした。
そのためピーター・シュラムボーム博士はラテン語の名文句「王は細部に拘らず、されど大統領は細部にも注意を払う」で始まる手紙を当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトに送り、これに感動したルーズベルトは許可を下し、ケメックスがこの世に誕生しました。
ケメックスはその独特のフォルムも印象的ですが、くびれの部分に木材や革紐が装飾されており、これは無機質で冷たい印象をあたえるケメックスに暖かみを感じる事ができるように配慮されてのものでした。
こうしてケメックスはニューヨーク近代美術館、フィラデルフィア美術館、スミソニアン博物館に永久展示品があり、日本を代表するデザイナーの柳宗理氏も愛用していたというコーヒーメーカーでありながら芸術品として認められました。
また、ケメックスが紹介された展覧会に同時にエントリーしていた熱に強く、傷つきにくく、不純物が溶け出さない特性を持つパレックスが採用されていた事もあり、その期間は初期モデルから1960年代までと短い期間であったため、コレクターの収集品の一つとして人気があります。