重要無形文化財 『蒔絵(まきえ)』保持者であり、
日本を代表する漆芸家です。
蒔絵は、漆芸の装飾技法の一つであり、
漆器の表面に漆で描いた下絵や文様文字などを描き、
それらが乾かないうちに金粉や銀粉などの金属粉を蒔き付け定着させる
ことで文様を表す技法です。
1969年から大場松魚(大場勝雄)に師事し、蒔絵を中心とする
伝統的な漆芸技法を幅広く修得。
その後も研鑽を積み、表現についての研究や伝統的な蒔絵技法を
高度に体得し、なかでも高蒔絵の技法を特色とするほか、
変り塗を応用した独自の蒔絵技法や研出蒔絵、螺鈿、平文、卵殻等の
技法を併用し、多彩な作品を生み出しています。
また木地作りから下地作り、蒔絵などの工程を一貫して自身で
行っていることで、漆芸の風合いを大事にしており、漆の持つ黒を
引き立たせるため蒔絵には金粉を使うといったこだわりがあるようです。
兎や栗鼠(リス)など小動物の躍動感に満ちた姿を生き生きと表現し、
軽妙洒脱な独自の作風を確立しており、その作品はどれも高く評価されています。