小石原焼の生い立ちは、
窯を据えた地名を取って当時は、中野焼と呼ばれ、
この中野焼を開窯し呼ばれていたことも含めると、
実に350年程度の歴史があると言われています。
江戸時代中期になると、小石原焼の陶工
柳瀬三右衛門が黒木十兵衛の招きを受けて、
小石原焼の技法を現在の大分県日田市の小鹿田村に伝えたことから、
小鹿田焼とは兄弟窯の関係にあります。
福島善三は、福岡県朝倉郡の小石原焼の窯元に生まれます。
当時の小石原焼は、一子相伝のみで継承されていたため、
窯元は10件にも満たない状態でした。
福岡大学へ進学し、卒業後に福島善三が家業を継いだ頃には、
40軒程度まで増えてきていました。
しかし小さな村のなかで、他の人と同じような作品を作っていても、
それは余剰してしまうことになります。
どのようにしたら自身の作品に目を向けてもらえるか…
当時の流行りとして、
釉薬をかけない焼締め(備前焼など)がありましたが、
あえてそのブームに乗らず、長年継承してきた伝統や技術を守りつつ、
小石原産の材料を使用し、無駄を排し『造形』を重視するスタイルで、
これまでになかったものを生みだすことに注力しました。
現在では50以上の窯元があり、より現代の食生活に合うデザインを
取り入れています。
窯元ごとに独自の思いを持ち提案する、進化系の小石原焼は、
それぞれのライフスタイルに合わせた1品に出会えそうです。
------------------------------------------------------------------------