岡山県出身の木工芸家で重要無形文化財「木工芸」の保持者に認定されています。
木工芸としての重要無形文化財の認定は中臺瑞真とともに3番目の認定者です。
また、岡山県重要無形文化財木工芸「指物・刳物・象嵌」にも指定されています。
本名は片岡誠喜男といい、指物師・片岡斎三郎の長男として生まれました。
14歳で職人気質の父親に師事しており、父親は年齢に関係なく厳しい態度で接し、自分の持つ木竹工芸の技術全てを教えました。
そんな厳しい修行にも耐え、天性の素質も持っていた昭和斎は生涯父親以外の師に教わる事はなく、独立してからは自分の手でその道を開いていきました。
また、23歳の頃に文人画家・柚木玉邨(ゆのきぎょくそん)にその才能を認められ、木工芸家としてこれからについてのアドバイスを受け、同時に「昭和の名人たれ」の期待を込めて「昭和斎」の号をもらいました。
昭和斎の作品には桑を好んで使っているのが特徴的ですが、その他にも欅、柿、黄楊木、肥松も使用しており、得意の指物・象嵌の技術を駆使した箱、文机、卓、飾り棚、小箪笥、盛器、香盆、菓子鉢などを制作しています。
特に箱の四方の直線に線象嵌を用いた直線の美しさを持つ作品や、木目に金箔を摺り込む「杢目沈金」の技法を用いた作品は昭和斎の代表的な作品として挙げる事ができます。