勝城蒼鳳(かつしろそうほう)は栃木県出身の作家で重要無形文化財「竹工芸」の保持者としても知られています。
勝城蒼鳳は栃木県那須郡高林村(現・那須塩原市箕輪)で8人兄弟の末っ子として生まれており、本名は勝城一二(かつしろいちじ)といい、旧姓は室井姓で結婚後に勝城姓となっています。
勝城蒼鳳は中学卒業後に父の勧めである竹細工師への道へと進むため、菊池義伊に師事し、およそ6年間技術の習得に励んだ後に籠職人として独立しており、独立から約4年後に勝城ハルエと結婚しています。
その後、竹工芸の斎藤文石や八木澤蒼玕(やぎさわそうかん)に師事して竹細工から竹工芸へと転身し、独立からおよそ30年後に雅号「蒼鳳」を名乗るようになり、個展の開催や展覧会への出品など積極的に活動を行っています。
勝城蒼鳳は、自然に囲まれて生まれ育った環境の影響からか自然そのものをモチーフとしており、時代の流れで日用品から芸術品へと変化してきた竹工芸の作家として用の美を感じる作品から、3メートルから4メートルを超えるオブジェまで幅広く制作しています。
また東日本大震災が連日報道されていた頃に被災者の気持ちや復興に対する思いを表現した作品の制作にも取り組んでいます。
勝城蒼鳳は材料の選定や素材の調整、編組、染付、漆をぬる仕上げなどの工程が非常に高度である事が知られており、作品のタイトルによって竹素材を使い分け、編みを中心とする技法で柔軟さをいかした文様表現に変化を生み出しており、独自の現代感覚あふれる作風で受賞を重ね、高評価を得ています。