日本の彫漆家。
本名、芳雄。
香川県高松市生まれ。
小学校卒業後、讃岐彫りの木彫家・石井磬堂に師事、16歳で独立。
17歳頃から幕末の彫漆家・玉楮象谷に私淑し、以来独学により彫漆の研究に打ち込む。
帝展初入選以降、同展、新文展、戦後の日展で受賞を重ね、日本工芸会設立後は、日本伝統工芸展を中心に作品発表。
1942年、新文展で「漆月之花手筥」が特選。
古典的手法をベースに、緑漆と黒漆のコントラストを用いた西欧浪漫主義的な表現や、色彩の断層面の平行縞模様を強調する技法によって、独自の作風を確立。
1955年 重要無形文化財「彫漆」保持者(人間国宝)認定。
1967年 紫綬褒章受章。
伝統色の強かった漆芸に、モチーフの簡略化など新たな感性を吹きこんだ、近代漆芸を代表する一人。
1973年 勲四等旭日小綬章受章。