正午の茶事
正午の茶事は年間を通して最も多く行われる昼食を兼ねた茶事の基本であり、最も大切な茶事であるためしっかりと時間をとって4時間ほど行われます。
正午の茶事 流れ
どの流派にも共通するおおまかな流れです。
席入り
正客は事前に亭主へ挨拶を済ませておきます。
手水を入れ替えた亭主の様子を見とどけてから、手水の方へ行き手を清め、にじって茶室に入ります。
床の拝見
掛物と花を拝見します
初炭
風炉の季節は懐石のあとに行います。正客が亭主にお道具の拝見を所望しますので気を引き締め、ていねいに拝見します。
懐石
一汁三菜(酢の物 焼き物 煮物)八寸(山の幸、海の幸)に日本酒が供されます。
茶の懐石で酒をたしなむことは、盃が客と亭主の間を行き来する様子から「千鳥の盃」と呼ばれています。
八寸では「海のもの」といってからすみなど魚介の珍味「山のもの」はソラマメや野菜を簡素に焼いたものが供され、日中といっても閉じた茶室で自然光のみで頂く食事のため、暗い照度のなか、お酒で顔が赤らむことも気にしすぎず、味覚・嗅覚を研ぎ澄ませる食事となります。
懐石の後にお菓子が出されます。
中立
客人はいったん寄付に戻って用を済ませ、亭主の準備が整うのを待ちます。亭主は用意が済むと銅鑼を鳴らし、後座の始まりを知らせます。
濃茶点前
濃茶に四季折々の主菓子(上生菓子や水菓子)です。「お先に」と挨拶をしながら菓子器を回して取ります。家ごとに特注のお菓子がある派もあり、茶席もここまでくるとクライマックスになります。
薄茶点前
薄茶に四季の干菓子です。煙草盆を拝見する流派もあります。
最後に挨拶をして、正客は亭主のお見送りのたずねを断り、客人一行は寄付に戻ってから支度し、帰路につきます。正客は茶事の後日、亭主に礼状をだします。