螺鈿紫檀五弦琵琶
螺鈿紫檀五弦琵琶(らでんしたんごげんびわ)は奈良の正倉院に収蔵されている宝物です。世界で現存する唯一の五弦の琵琶として正倉院で保管されており、近年では「美の国日本」九州国立博物館(2015年)で公開されました。長さ108センチ、胴部分の幅31センチのこの琵琶に使われている螺鈿細工には宝物の中では現在では入手が困難な南海産の大きな貝が使われていることが明らかになっております。 表の下の部分には、2こぶラクダのうえで琵琶を弾く胡人をかたどった螺鈿細工が施されています。背面には夜光貝、白蝶貝、鼈甲が隙間なく使用され、当時の最先端の細かく曲線の多いデザインで装飾されています。 胴の表側、下部のらくだの細工には、大小14枚の夜光貝が使われており、中には元の大きさが長さ6センチ、幅5センチと、宝物の中で最大のものも含まれていたことが調査で明らかになりました。
螺鈿
螺鈿は、奈良時代に唐から輸入された工芸品の装飾技法です。夜光貝・白蝶貝・黒蝶貝・青貝・鮑等の貝から光沢を持った表面を漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む手法であり、その貝の発色と輝きを最大限に引き出す技法と言えるでしょう。
紫檀
紫檀はその名の通り紫を思わせる深い茶~黒色の縞模様を持ち、木肌は交錯し肌目はやや粗く、虫や菌に侵されにくいために耐朽性に優れ、美しい仕上がりをもつ銘木の一種です。
琵琶
弦が5本ある五絃琵琶は古代インドで生まれ、東アジア諸国に伝来しました。この琵琶は、南インド産の紫檀に螺鈿細工をほどこしたものであり、インドから中央アジアの亀茲国(中国の都市)経由で唐に入り、日本にもたらされたとされています。正倉院では、当時の中国・唐から8世紀に日本に伝えられ聖武天皇に献上されたという宝物の螺鈿紫檀五絃琵琶のほかにも複数の螺鈿が多く施された宝物の琵琶が献上されています。 五弦琵琶が正倉院のほかでは見当たらない理由としては音域が四弦琵琶よりも狭く、演奏法も難しかったからという点が挙げられています。正倉院展でこの琵琶が公開された際には、実際に螺鈿紫檀五弦琵琶の音を出して演奏した際の音楽が展示スペースに流されていたとのことで展覧会をご覧になられた方は音色を聞くことが叶ったのではないでしょうか。
琵琶 象牙
いわの美術はさまざまな螺鈿細工や象牙の象嵌が入った琵琶を買取っておりますが、琵琶本体ばかりではなく象牙のバチ、本体と合わせた紫檀の糸巻きの方も良いお取引を望める品として査定をお勧めしております。
下の画像のように品物を撮影していただき琵琶本体の全体のお写真をメールくださいますと担当の者が無料で査定のお返事をしております。
お電話口で象牙のバチの査定をご希望の際には象牙のバチの大きさと重さをお伝えくださいませ。
~琵琶の買取はこちらへ~