外国の勲章~フランス
レジオンドヌール勲章
勲章の起源は、中世ヨーロッパの騎士団の制度にあるとされていますが、フランスの最高勲章として、ナポレオンの時代より、現在もなおフランスで最も栄誉ある勲章として存在するのが、レジオンドヌール勲章 (仏: L`ordre national de la légion d`honneur)です。
基本的にフランスで、勲章を授与することは、同時に騎士団(オルドル)に入団することを意味し、執政政府期にナポレオン・ボナパルトによって制定されたフランスの栄典制度であるレジオンドヌール勲章は、これを基にしたヨーロッパ独特の栄典制度をさします。
レジオンドヌール勲章の受章は、同時に騎士団(オルドル)への入団もしくは昇進を意味し、そのしるしとして、騎士団の記章 (デコラシオン)の着用が許されます。
1802年にナポレオン・ボナパルト(ナポレオン1世)により制定されたレジオンドヌール勲章の等級は、以下の5等級に分けられます。
グランクロワ・大十字
グラントフィシエ・大将校
コマンドゥール・司令官
オフィシエ・将校
シュヴァリエ・騎士/勲爵士
授与権者は、大統領で1月1日、復活祭、7月14日の革命記念日に授与されます。
フランス国に対して、特に優れた功績をあげた者に授与され、外国人も授与対象となり、過去には日本人として、中曽根康弘(元総理大臣)、豊田章一(トヨタ自動車株式会社名誉会長、日本経済団体連合会名誉会長)も授与されています。
また、外国人シンガーの元ビートルズメンバーのポール・マッカートニーや、カナダのセリーヌ・ディオン、アメリカのボブ・ディランも受章しています。
国家功労勲章
1963年にシャルル・ドゴール大統領によって制定され、多数あった勲章をまとめてフランス政府から叙せられる勲章です。
授与権者は大統領で、等級は5等級、授与対象者は、民事、軍事の公務もしくは民間活動の実施において際立った功績をあげた者で、フランス国に対する功績をあげた外国人にも授与されます。
また、フランス大統領から授与される、上記のジオンドヌール勲章、国家功労勲章のほかに、日本の芸術家・ファッションデザイナーの滝沢直己、漫画家の大友克洋も受章している芸術文化勲章があります。
ほかには、1808年にナポレオンによって創設され、高等教育をも含む教育全般に携わる人に与えられるフランス教育功労章(パルム・アカデミック)、農業・水産省がフランス農産物対外輸出、外国市場での販売促進、および フランスの食文化の普及に特に功績のあったフランス人や外国人に授与する農事功労章、体育やスポーツの指導、青少年活動、スポーツ施設等を通して集団生活やスポーツ活動の分野において顕著な功績のあった人に対して与えられる青少年スポーツ功労章があります。