年の瀬も迫りつつありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は神奈川県鎌倉市にある鏑木清方記念美術館で開催されている
企画展「清方と祝う正月」に行ってきました。
今回は本企画展概要と行ってみた感想をご紹介したいと思います。
■会場:鏑木清方記念美術館 ■最寄り駅:JR横須賀線・江ノ電鎌倉駅から徒歩7分
■会期:平成29年12月8日(金)〜平成20年1月14日(日)
■会館時間:9時~17時(※入館は閉館30分前まで)
■観覧料:企画展(一般200円 小・中学生100円)特別展(一般300円 小・中学生150円)
■休館日:月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)
鏑木清方は、正月を迎えると氏神様や七福神へ詣でたり、書初めをしたりして新春の吉事や慣わしを楽しみました。
正月二日の仕事始めには、硯や絵貝皿を清めて心新たに絵を描き、弟子の伊藤深水や寺島紫明らとの新年会の為に、肉筆の羽子板も用意しました。
そして身近な人々と新春を祝うだけでなく、
正月で賑わう街やそこに集まった人々の様子を取材し、趣豊かな作品を描きました。
また、明治から昭和にかけての東京の正月など
季節の風物を随筆に書き残しました。
本展覧会では、新春の風情を描いた作品や口絵、清方作品をもとに名押絵師・永井周山が意匠化した押絵羽子板《明治風俗十二ヶ月》なども展示し、正月を祝う清方の心情を随筆から紹介いたします。
(公益財団法人鎌倉市芸術文化振興財団/鎌倉市鏑木清方記念美術館 企画展「清方と祝う正月」チラシ裏概要文引用)
鏑木清方 Kiyokata Kaburaki(1878~1972)
鏑木清方は明治から昭和にかけて美人画、風俗画を題材にした作品を多く発表し活躍した日本画家です。
明治11年(1878)に東京都神田に生まれた鏑木清方の父は東京日日新聞(現・毎日新聞)の創始者の一人であり文人の條野採菊(じょうのさいぎく)でした。
父の影響もあって幼少期から文芸に親しんで育った清方は挿絵画家を目指し、浮世絵の流れを汲む水野年方に師事した後「清方」の号を授けられます。
そして挿絵画家として泉鏡花『三枚續』の口絵と装幀などを手がけ活躍した後に日本画へと転向しました。
なめらかな線で描かれた清方の優美な美人画は、美人画の新たな道を切り拓いたとして昭和29年(1896)に文化勲章を受章しています。
また、清方は文才にも富んでおり、「こしかたの記」などの随筆集も多く発表しています。
日本画家・随筆家として高い知名度を誇り、「西の上村松園、東の鏑木清方」と称される近代美人画の巨匠です。
観光客で賑わう小町通りを一本入った閑静な住宅街の中に、鏑木清方記念美術館はあります。
建物は昔ながらの風情ある日本家屋で、館内は静かで落ち着いた雰囲気でした。
そして、なんといっても驚くのは入館料の安さ…!大人一人200円でじっくり鏑木清方の作品を堪能できるお手軽さにまず驚き。
展示作品数自体は多くないので鎌倉に観光・お散歩の際にぶらりと立ち寄るのにおすすめな美術館です。
さて、今回の企画展「清方と祝う正月」ですが、
展示内容は口絵、押絵羽子板、軸、額、雑誌付録の双六、スケッチ、風呂敷、ふくさなど計62点が展示されています。
この他にも今回の企画展ではお正月をテーマにしているということで、冬の描写の作品も多く展示されており、鏑木清方の描く美人画の白磁のような滑らかな美しさと冬の冷たさが合わさると儚さが増しつい見とれてしまいました。
そしてそして、お土産にポストカード三枚購入。
こちらもお手軽価格、ばら売りで一枚88円~100円ほどでした。
《夏の生活》(部分)
《紅葉》
《京橋金沢亭》
見事に今回の企画展に関係のない三枚ですね。
そしてこちらは次回企画展「鏑木清方 幻想と文学-明治・大正の文学者とのかかわえり-」のチラシ裏に掲載されている作品(1.《二人静》2.小杉天外著《魔風恋風 中編》木版口絵)
次回の展示も楽しみになる作品群です。
久々の鎌倉だったので美術館へ行ったついでに鶴岡八幡宮へお参りに行ってきました!
鶴岡八幡宮の参道若宮大路の中央に一段高く造られた段葛こちらのお写真は二の鳥居
平日でしたが多くの修学旅行生や観光客で賑わいを見せており活気がありました。
鎌倉幕府 初代将軍である源頼朝ゆかりの神社として仕事運、勝負運、出世運にご利益があるそうですよ~。
朱色の漆塗りと銅葺屋根の格調高いご本殿は国の重要文化財に指定されている立派な建物です。建物の美しさだけでも見る価値がありますね。
緑溢れる広い敷地には手入れされた池やお庭があるのでゆっくりと散策されてはいかがでしょうか。史跡なども点在しており歴史好きの方は特に楽しめるスポットおすすめです。