大寒を迎え寒さの厳しい日々ですが皆様お風邪など召されていませんでしょうか。
今回私は、トーハクこと東京国立博物館で開催されている特別展
『仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-』に行ってきました!
今話題の『仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-』噂には聞いていたものの、すっっっっごく豪華な展示で途中キャパオーバーで若干頭がクラクラしてくるほど。圧巻の展示内容でした。
仁和寺に伝わる寺宝全174点が展示されており、その内70体が秘仏や本尊などの仏像彫刻で構成されています。
この展示、何が豪華かといいますと展示物の半分以上が国宝や重要文化財に指定されているんです。
文化的・美術的価値のある寺宝だけなく東京での公開が江戸時代以来という非常に貴重な秘仏までもが一同に介しており、関係者の方が「これほどの規模の展覧会はもう出来ないだろう」とコメントするほどの貴重な機会ですのでぜひお見逃しのないようお気をつけください。
会場 | 東京国立博物館 平成館 |
最寄駅 | JR上野駅 公園口から徒歩約10分 |
開催期間
|
平成30年1月16日(火)~3月11日(日) 前期:1月16日(火)~2月12日(月) 後期:2月14日(水)~3月11日(日) |
開館時間
|
9時30分~17時 入館は閉館の30分前まで(※金曜・土曜は21時まで) ※2月21日(月)を除く毎週月曜、2月13日(火)は休館 |
観覧料
|
当日券 一般 1,600円 / 大学生 1,200円 / 高校生 900円 ※中学生以下無料、心身に障害のある方及び付添人は無料 |
平日のお昼前について後半途中途中飛ばし見したのですがそれでも1時間30分位はかかるくらいのボリュームだったので、鑑賞時間は最低でも2時間位をみた方がいいかもしれません。
普段見れない裏側や細部まで間近で見ることができるので、説明書きや音声ガイドなどを利用される方は時間に余裕をもって行かれることをおすすめいたします。
混雑具合は平日お昼頃に行ってやや混雑している(十分余裕をもって移動できるが展示品前に人が絶えない)程度でした。
ただ、後期日程(2月14日~)では葛井寺の国宝「千手観音菩薩坐像」が展示されるため、かなりの混雑が予想されます。
しかし前述しましたように混雑するから見ないという選択は非常に惜しい程のボリュームと豪華さですので、開館直後や夕方頃など時間帯をずらした方が落ち着いて鑑賞できるかもしれません。
仁和寺は京都府京都市右京区御室にある真言宗御室派の総本山寺院で、光孝天皇が仁和2(886)年に建立を発願し、次代の宇多天皇が仁和4(888)年に完成させ元号から「仁和寺」としました。
そして、歴代の皇族が明治維新まで門跡(住職)を務めていた格式高い真言密教寺院で、宇多天皇が仁和寺の一角に御堂を造営し隠棲したことから「御室」と呼ばれ仁和寺そのものを示す別称としても用いられました。
つまり御室派=仁和寺を総本山とした真言宗一派というわけですね。
皇室の厚い帰依を受けたことで優れた仏教芸術が多く伝わっており、平成6(1994)年にユネスコの「世界遺産」に登録されており人類の遺産として保護されているお寺です。
1.国宝や重要文化財などの名宝174点が一堂に集結!
(重要文化財 如意輪観音菩薩坐像 平安時代・十世紀 兵庫県・神呪寺蔵)
今回の展示では、そんな仁和寺と御室派寺院である全国約790ヶ所のお寺から仏像を中心とした絵巻や置物など160点が出品されてており、そのうち約70体が国宝や重要文化財など普段は公開されない秘仏など仏像ファン垂涎の名宝!
仁和寺創建当時の本尊である『阿弥陀如来坐像』や現存最古の千手観音像である藤井寺の『千手観音菩薩坐像』など国宝がこんなにも一堂に介するなんて一生に一度あるかないかの機会です。
個人的には兵庫の神呪寺で毎年5月18日にのみ公開される本尊秘仏で重要文化財の『如意意輪観音菩薩坐像』 がなんだか人間味に溢れていてイチオシです。少しアンニュイなお顔をされていて優美で気品に溢れるお姿でしたよ~。
2.修理後初!国宝「三十帖冊子」を期間限定全帖公開
第1会場 <第1章 御室仁和寺の歴史/第2章 修法の世界/第3章 御室の宝蔵>
展示は5章構成となっており、第1会場と第2会場に分けて展示されています。
真言宗といえば空海!ということで第1会場では空海ゆかりの書物や仏具などを中心に展示されています。
この三十帖冊子は平安時代に空海が唐へ渡った際に密教経典・儀軌などを直筆で写したものです。2014年に修復が完了して以降初の全帖を会期中2週間限定で公開しています。
(※本記事公開時である1/30には全帖公開期間終了しています)
3.仁和寺の観音堂を完全再現
第2会場 <第4章 仁和寺の江戸再興と観音堂/第5章 御室派のみほとけ>
僧侶の修業場ということで、通常は非公開の仁和寺の観音堂が会場内で完全再現されています!
実際に安置されている仏様33体だけでなく、壁画も高精細画像によって再現されている今回だけの特別な空間。しかも、なんとこのブース…写真撮影が可能なんです!
地獄が描かれている壁画が特に面白かったんですがじっくり見ているうちに写真撮るのを忘れてしまい絶賛後悔中…。行かれた際は、ぜひカメラ片手にご鑑賞ください。
特別展『仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-』では、会期中 前期日程(1/16~2/12)と、後期日程(2/14~3/11)の2つに分けて展示内容が変化します。
中でも本展の目玉とも言える大阪・葛井寺の国宝『千手観音菩薩坐像』が2月14日から公開です!江戸の出開帳以来約200年ぶりの東京での公開ということですので、可能であれば前後期両方足を運びたいところです。
また、1階のラウンジでは「御室流華道」による生け花が展示されています。
仏様が牛車に乗って降臨されたような素敵なお花でしたので、こちらもぜひご覧になってくださいね。
本展を見終わったあとは、お隣の表慶館で開催されている『アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝-』ではしご鑑賞がオススメです!
なぜなら総合文化展料金でこちら鑑賞可能!つまり、『仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-』のチケットを持っている方は無料で鑑賞可能!
これはお得ですね~。サウジアラビア王国からの400点を越える展示物が見放題、さらに写真撮り放題なので特別展目当ての方も足を運んでみてはいかがでしょうか。
以上、1月の美術館レポート特別展『仁和寺と御室派のみほとけ-天平と真言密教の名宝-』でした。
それでは皆様もお風邪など召されませんよう暖かくしてお過ごしくださいね。