桜花図の第一人者として知られる中島千波は、1945年父親の疎開先である長野県小布施村で生まれます。
父親は日本画家として活躍していた事から、中島千波も父親と同じ画家になる決意をして父親の指導を受け、高校卒業後は東京芸術大学へ入学しました。
東京芸術大学では、美術学部で日本画科を専攻していた中島千波は、1969年第五十四回の院展に「窓」という作品を初出品して初入選を果たし、以降大学在学中様々な展覧会で賞を受賞しました。
1971年東京芸術大学の大学院卒業から三年後、現代日本美術展に出品した「草の主」という作品が現代日本美術展を開催した神奈川県立近代美術館に所蔵されます。
1977年には、第三十二回春の院展と第六十二回院展で奨励賞を受賞、その二年後には東京にある山種美術館で行われた展覧会に「衆生・視」という作品を出品し優秀賞を受賞しました。
この頃には、人物をモチーフとした「衆生」「形態」 というシリーズを発表しています。
その後も数々の展覧会で受賞を重ね、1983年には中島千波・林功・松本哲男の三人で開催した三人展にて、初めて桜の屏風を製作し披露しました。
1987年には、NHKテレビ「きょうの料理」の表紙絵を三年間担当し、小説家の宮尾登美子が執筆した「きのね」という本の挿絵を製作するなど絵画だけではなく、挿絵作家としても活躍されます。
1990年には神奈川県横浜市にある三溪記念館内の三溪園臨春閣第六室の襖絵「不二と桃花図」「松林図」を完成させました。
1992年中島千波の生まれ故郷である長野県小布施村におぶせミュージアム・中島千波館を設立、翌年には長野県諏訪市にある北澤美術館と横浜市民ギャラリーで自身の展覧会を開催し、大盛況を収めます。
その後日本のみならず海外でも展覧会を開き、また自身の母校である東京芸術大学美術学部の助教授や美術学部デザイン科の教授に任命されるなど後世の育成にも励みました。
中島千波は、現在でも精力的に活動をおこなっています。
桜作品
中島千波は、人物から花鳥画など様々な作品を描いていますが、その中でも代表作と言えば、美しい桜作品です。
中島千波が描く日本全国の名桜は、神秘的で見ている人の心が奪われる程に美しい作品となっています。
現在でも評価の高い「素櫻神社の神代櫻」という作品は、長野県長野市芋井の境内にある神代桜と呼ばれるエドヒガンザクラの巨木がモデルとされていて、樹齢は約1200年にもなり、国指定の天然記念物に指定されています。
また、「神田の大糸櫻」という作品は、山梨県北杜市小淵沢町にある枝垂桜がモデルとなっていて、樹齢は約400年程で、こちらも「素櫻神社の神代櫻」同様国指定の天然記念物に指定されているそうです。
また、戦国から江戸時代が始まる頃に枝垂桜は芽を出したとされています。
桜との出会い
中島千波は、初め人物を描いていて桜は古臭くて描きたくないと思っていたそうですが、一本の桜の木を見て考えが180度変わったそうです。
その桜は、岐阜県本巣市の根尾谷・淡墨公園にある淡墨桜でした。
淡墨桜は樹齢約1500年余年を誇り、ピンクの蕾から白い花を咲かせ、散り際には淡い黒色になる事から淡墨桜と名付けられました。
また、日本の第二十六代天皇である継体天皇が植えられた桜と伝えられていて、山梨県の「山高神代桜」と福島県「三春滝桜」と並び日本三代桜の一つに数えられ、国の天然記念物にも指定されている美しい桜です。
中島千波は、淡墨桜を本で見て興味が沸き実際に見に行ったところ、その美しさに圧倒され一心不乱にスケッチを描き進めていたそうです。
描くつもりがなく、見に行くだけだったという事から、まるで淡墨桜が中島千波に自身を描いて欲しくて呼び寄せたように思えます。
「桜は古臭い」「桜の花びらは描くのが面倒」と言っていた中島千波ですが、今や桜の花びらを一枚一枚丁寧に描き進めている事から、桜の虜になっているようです。
淡墨桜に出会った事で中島千波の桜作品の製作が始まり、数多くの美しい桜作品が生まれました。
淡墨桜に出会う事がなければ、私たちが心奪われる中島千波の桜作品は生まれなかった事でしょう。
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