美術で巡る日本の海と編み物の世界
先日京浜急行線 馬堀海岸駅からバスで10分程の所にある横須賀美術館へ行ってきました。
横須賀美術館開館10周年記念の企画展『美術でめぐる日本の海』をご紹介したいと思います。
横須賀美術館のオススメ
横須賀美術館は道路一本隔ててすぐ目の前には観音崎の海があり、美術館の屋上からは東京湾を一望できます。こちらは「恋人の聖地」としても有名なようです。
背面には山も広がっており海山両方堪能できる贅沢スポットでもあります。
美術館を満喫した後、併設されているレストランでお腹を満たし、海岸をお散歩…ロマンチックですね~
そんな恋人におすすめの横須賀美術館の企画展は、お子様にも喜ばれるようなテーマのものが多く家族連れでも楽しめます。実際に私が訪れた際にも小さなお子様連れのお母様方が多くいらっしゃいました。
決して大きな美術館とは言えませんが白を基調とした館内の丸窓から光が柔らかく射しこむ建物自体の美しさにも注目していただきたい私のイチオシ美術館の一つです。
企画展の構成
さて、本題に移って…今回の企画展『美術でめぐる日本の海』は
「日本の海を見る」「船いろいろ」「日本人と鯨」「海への祈り」という4章構成でした。
展示物は絵画だけでなく写真やポスター、大漁旗と多種多様な造形物が各章ごとに展示されており、様々な視点から海との関わり合いを捉えることの出来る見応えのある企画展です。
お気に入り作品のご紹介
では、全体を見た中で私の気になった作品を数点ご紹介したいと思います。
( 写真は「日本人と鯨」の章で展示されていた歌川国芳作『宮本武蔵の鯨胎児』
今回のメインイメージの一つに選出されているこの作品は、美術館内エントランスの壁面に転写され写真撮影可能なスペースとして開放されていました。 )
1. 小野具定 『冬ざれ』
第一章の入り口手前に置かれていたこの小野具定の『冬ざれ』
冬の海の襲い来るような波の勢い、戦後の貧困や悲しみが暗く重く描がかれたこの作品に衝撃を受け、しばらく見入ってしまいました。作品の迫力に圧倒されます。
2. 山本鼎 『外房しけのあと』
個人的に波長の合った一枚。今にも動き出しそうな波の表現に波のうねる音、潮のにおいが感じられそうでした。
3. 松田正平 『周防灘』
作家の瀬戸内の海を描いた代表的なシリーズ『周防灘シリーズ』の一枚。
直線的な描線と白と青を基調とした独特の色彩で、漁港で働く人々の忙しない日々が穏やかに描かれています。ぼんやりずっと見ていたくなるような魅力がありました。夢を見ているような不思議な透明感のある作品。
4. 牛島憲之 『貝焼場』
今回の企画展の中でもひときわ目を引く鮮やかな色彩と大きさでこの作品の前で立ち止まる方も多かったです。一見複雑に描かれているようで、よく見ると対象をすごくシンプルに描いています。モザイクのようにリズミカルに色彩を置くことで貝殻を表現しています。
鮮やかな色彩と印象的な構図や陰影表現により活気のある現場の空気感が伝わってくるようです。
以上私のお気に入り4作品でした。
上記の作品以外にも本当に様々な海に関連した作品が展示してあり、現代にない文化や歴史を感じられ興味深かったです。時代や土地が変われば海への思いも変わりますね。
大人から子供まで楽しめる常設展
今回メインでご紹介した企画展『美術でめぐる 日本の海』は終了してしまいましたが、常設展の『へんなあみもの 203gow あんだ~わーるど展』は10月1日まで展示されています!ちょっとヘンでどこかかわいい編み物の世界は、編み師として活躍されている203gowさんの作品展です。人の体より大きな作品はそれぞれが可愛らしい色彩や顔を持っていて会場全体を明るく彩っています。また異素材を組み合わせた作品が独特の雰囲気を持っていて思わずまじまじと観察してしまいました。
こちらの常設展は写真を撮る事も可能なのでフォトジェニックな画が欲しい方にもおすすめです。
メインブースの「海のいきもの」と「森のいきもの」にわけられています。
「森のいきもの」のブースには編み物の切り株に座り、被り物をかぶって写真撮影ができるスペースがあり、多くの人でにぎわっていました。
また壁面には青いフェルト地が貼られており、その上に自由に毛糸を張り付ける参加型作品もあり来場者の方々が鮮やかな毛糸で海の生物を楽しそうに置いていく姿が印象的でした。私もこっそり隅の方に銀毛のくらげを置いてきましたよ。
おわりに
以上、横須賀美術館館10周年記念の企画展『美術でめぐる日本の海』と常設展『へんなあみもの 203gow あんだ~わーるど展』レポート記事でした。
お休みなどの機会にご家族や恋人と自然溢れる横須賀美術館に遊びに行かれてはいかがでしょうか。
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