写真の作品は、アイベン・ロールのシルクスクリーン『波の詩』です。
アメリカン・アートの巨匠アイベン・ロールは多才な芸術家であり、ディズニー映画「眠れる森の美女」の背景を担当し喝采を受け、現在もアニメ界に多大な影響を与えています。
画家としても最上級で、水彩画はメトロポリタン美術館の永久保存として収蔵されました。
Eyvind Earle |
アイベン・ロール ※ |
アイヴァンド・アール ※ |
アイベン・アール ※ |
1916年~2000年 |
活躍した分野 |
アニメ、水彩画、油彩画、彫刻、スケッチ |
※日本語表記は統一されておらず、ここではお買取りしたシルクスクリーンに記載されていたアイベン・ロールで統一しています。
生い立ち
アイベン・ロールはニューヨークで生まれ、2歳の時からハリウッドで育ちました。
舞台の背景画家であった父はアイベン・ロールが10歳の時に毎日50ページの本を読むか1枚の絵を描くかの選択を迫り、アイベン・ロールは両方を選びます。
その時から4年間、翌年からは中米・ヨーロッパを旅しながら、父はアイベン・ロールに1日何時間も絵を描かせたそうです。
アイベン・ロールは最終的には逃げ出してしまいますが、その後もその習慣を自分で続け、あの年齢の自分にとっては良い躾であったと後に語っています。
父は非常に高度な技術を持った画家であり、父が色を混ぜる姿は今でも忘れられないそうです。
しかし、アイベン・ロールは18歳の頃には父の写真のような絵はアートとしては認められないことに気付きました。
芸術は自身の解釈の表現であり、潜在意識を刺激して導くことだという信念が生まれます。
早くに成功
14歳の時にフランスで個展を開き高い評価を受け、18歳でUnited Artist`s Studioのアシスタント・スケッチ・アーティストになりました。
その後絵画制作の為に1年間メキシコに滞在したり、アメリカ横断を自転車で行うなどして42点の水彩画と1万語の日記を制作します。
自転車旅行の翌年1938年にはアメリカ各地で水彩画の個展を開催し、その翌々年の個展ではメトロポリタン美術館が作品を購入し永久保存とされました。
1939年にアイベン・ロールは23歳で海軍に徴兵されますが、その間も制作を行い210点の肖像画を残しています。
ディズニーでの仕事
1951年、35歳の時に背景画家としてディズニーで制作を始めたアイベン・ロールは『ピーターパン』など10本の映画制作に関わり数々の功績を収め、1959年公開の『眠れる森の美女』の背景制作の他、プロダクション・デザイナー、カラースタイリストに抜擢されました。
『眠れる森の美女』はアイベン・ロールが得意とする森の景観が幻想的で素晴らしく、美術館以外でアイベン・ロールの作品が楽しめる貴重な映画です。
この他、ディズニーランドの5つの壁画をデザインしたり、「シンデレラ城ミステリーツアー」のコンセプト・スケッチも担当しましたが、絵画に専念する為に退社しました。
後にアイベン・ロールは「業界最高峰の人々と熱心に早く働いたディズニーでの6~7年は全世界で最高のアートスクールにいたようなものだ。」と語っています。
作風
アイベン・ロールの初期の作品は、とても堅実で現実的です。
しかしながら写真のような絵ではなく芸術性を目指したアイベン・ロールは、ゴッホ、セザンヌやアメリカ画家のノーマン・ロックウェル、ジョージア・オキーフなどの作品の研究をして、21歳の頃にはシンプルかつ直感的で自信に満ちた作風となりました。
アイベン・ロールが好きであった中国の言葉「見てから1年経つまでキャンパスに何も描くな。そうすると描く物全てが思い出だ。」に従い、見た物は写生するのではなく言葉で書き留めたそうです。
特に風景画に関して全く独自の世界を切り開き、神秘的でノスタルジックでありながら規律がありまた気分屋でもある、という要素を見事に調和させています。
高価買取のポイント
アイベン・ロールは水彩画の他、今回お買取りしたシルクスクリーン、油彩画、スケッチなどを制作しました。
シルクスクリーンより肉筆画のほうが買取価格が上がりますが、その作品の出来や人気、保管状態によって価格が大きく変動しますので、写真での査定がお勧めです。
鑑定書などの付属品がある場合はプラス査定となりますので、必ずお付け下さい。
アイベン・ロールのシルクスクリーン作品をお買取りしております。
いわの美術ではアイベン・ロールの作品を探しています。
コレクションの入れ替えや、お引越しなどでアイベン・ロールの作品のご売却をお考えの場合は、いわの美術までご連絡下さい。
今回お買取りしたアイベン・ロールの『波の詩』は限定150枚のシルクスクリーンで、縦60横92センチ程の大判サイズであり、保存状態も良好であることから高価買取となりました。
いわの美術ではアイベン・ロールのシルクスクリーンのお買取りを強化しています。
量産品のお買取りは対象外ですが、シルクスクリーン以外の作品もお買取りしておりますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
WEB、Line、電話での無料査定を行っていますので、ご都合の良い方法でお問い合わせ下さいませ。
ご連絡心よりお待ちいたしております。