海剛の高麗青磁硯をお買取りいたします。【買取・新着情報】

海剛の高麗青磁硯をお買取りいたします。
2018.4.16

海剛の高麗青磁硯をお買取りいたします。



写真のお品物は、海剛による高麗青磁の硯です。

海剛は韓国の陶芸家で、高麗青磁の技術を現代に復興させた功績から人間文化財の指定を受けています。

楕円の柔らかな形に、海の部分に波文様と亀を彫刻した凝った細工が成されており、海剛の高麗青磁作品のなかでも一風変わったお品物と言えます。

  

高麗青磁

青磁の美しい青と緑の発色は、釉薬と粘土が含む酸化第二鉄を、酸素の供給を抑え高温で焼成する還元焼成という特殊な焼成方法によって、酸化第一鉄に変化させることで生じる特殊なものです。

釉薬の色素に頼らず、また粘土の鉄分含有量が適合量でないと発色しないため、高度な技術が必要となります。

青磁のはじまりは古く、中国の殷時代の灰釉を起源として後漢以降に青磁の製法が確立したとされ、浙江省の越州窯を中心に生産されました。

古代より君子の身に付けるものであった碧玉に似た色は高貴な魅力に富み、唐代以降多くの文人や知識人に重用され、中国国内では江南が国家の中心地となった南宋時代が青磁の最盛期となりました。

宋代になると朝鮮半島と日本にもその製法が伝播し、朝鮮半島では当時の王朝名を冠して高麗青磁と呼ばれるようになり、11世紀から14世紀にかけて全羅南道の康津と全羅北道の扶安を主な生産地として盛んに生産されました。

中国では「秘色」と呼ばれた青磁の色は高麗ではヒスイまたはカワセミの「翡色」と呼ばれ、緑に近い色から「雨過天晴」という雨上がりの晴天のような澄んだ青色までさまざまな発色が魅力でした。

高級品には高麗独自の象嵌を施したものや透かし彫りの装飾が成され、生産のピークであった12世紀以降は社会情勢の変化とともに徐々に衰退していき、李氏朝鮮の時代になると粉青沙器に交代し高麗青磁の製法はおよそ600年前に失われることとなりました。


海剛について

柳海剛(ユ・ヘガン)は本名を柳根瀅といい、1894年にソウルに生まれました。

中学校在学中に博物館で見た高麗青磁の美しさに魅せられて作陶家を志すようになり、卒業後18歳で日本人の経営する漢陽高麗焼に入社して初めは象嵌の技術を学びました。

その後日本人が韓国で経営していた陶器工場を転々としながら技術を研鑽し、失われていた中世の美術工芸である高麗青磁の研究を1911年から始め、技術再構築に人生をささげることとなります。

実力派の陶工となり号を海剛と定めると、1928年に日本別府市博覧会に出品し金牌を受賞するなど若年のうちから作陶の高い評価を得ますが、時代は第二次世界大戦前後の混迷期に突入します。

韓国全土に残存する高麗時代の青磁の研究を重ねながら混乱期を乗り越え、1950年に第一回大韓民国輸出工芸品展で受賞し、1954年に第三回国産品展示会で大韓民国文教部長官賞を受賞し、1956年に米国カリフォルニア州国際博覧会に出品すると初の国際展で金牌受賞となりました。


 

海剛の名で世に出した作品は非常に緻密な仕事となっており、焼成を終えた後もあらゆる側面から精査され、少しでも欠点が見られたり高水準を満たさないものは直ぐに粉砕する厳しさであったと伝えられています。

このような厳格さにより海剛の名を冠した高麗青磁の作品は、高品質な品として流通することになります。




1960年に海剛高麗青磁研究所を開設し、1964年には利川市に窯を築き高麗青磁の作陶はさらに本格化します。

高麗青磁の復興は、柳海剛のほかにも日韓で多数の陶工が試みたものの実現できた者は無く、功績を称えられ、1960年には日本の工芸分野でいうところの人間国宝に相当する人間文化財に指定されました。

1970年代には国内外の招待展に出品し20数回受賞するなか後進の指導にも尽力し、1981年に第6回伝統工芸展国務総理賞を受賞、1988年に京畿道無形文化財第3号の指定を受けました。

1990年に跡継ぎでもある長男の柳光烈とともに、生涯の仕事の集大成ともなる柳海剛陶磁美術館を利川市において創立します。

その3年後の1993年に99歳で逝去してからも、海剛の蘇らせた高麗青磁の魅力と技術は今日まで伝えられています。

  

海剛の高麗青磁をお買取りいたします。

海剛による高麗青磁は、湯呑や御猪口など小型のお品から瓶や壺など大型まで幅広くあり、その中でも透かし彫りや二重透かし彫り、象嵌など技巧を凝らした作品、花器や浄瓶、水注や梅瓶など背の高いお品物は特に高額でのお取引となる傾向が見られます。

上記写真のお品物は硯の丘の部分に使用した形跡のない未使用品であり、また海剛の硯は中古市場に現れることが稀であるため、高麗青磁の愛好家だけでなく愛硯家からも好まれる良品と言えます。

作品の裏面と共箱の蓋裏面には号・署名が入っており、箱の表面に多少のヤケが見られるものの全体に状態が良いお品物であったため高評価でのお買取りとなりました。



高麗青磁には高麗時代のものと20世紀に再興された現代のものがあり、現代高麗青磁は海剛と並ぶ作家の池順鐸などの場合、高価お買取りが期待できます。

ご自宅やご実家のお片付け、蔵や倉庫の整理でご売却をお考えの海剛による高麗青磁がありましたら、ぜひ、いわの美術へご連絡くださいませ。

いわの美術では骨董品・美術品を中心にお買取りしており、高麗青磁も過去に多数お買取りさせていただいた実績がございます。

また、異なる品目同士を組み合わせてのお買取りも可能となっております。茶道具や書道具、書画や三味線などの楽器、オーディオ機器類まで幅広く対象としておりますので、多数のご売却予定がおありでしたら是非ご相談くださいませ。

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