葛飾北斎の作品をお買取りいたします!
写真のお品物は以前いわの美術でお買取り致しました、浮世絵版画研究所による葛飾北斎の復刻木版画、葛飾北斎名撰集です。
富岳三十六景や美人画で知られる葛飾北斎の画業は長く、90年の生涯を通じて旺盛な制作意欲を燃やし、最晩年まで絵の可能性を追い続けていました。
葛飾北斎の高価買取作品とは?
葛飾北斎は存命中から非常に人気の高かった絵師で、没後も多くの普及版木版画や鑑賞
用コピーである工芸画が出回りました。
その中で高値での買い取りが可能となるのが以下の2点です。
肉筆・真筆の日本画
挿絵のある和本・古書
紙や絹に肉筆画を多く残したのは晩年で、そのほとんどは軸装され掛軸となっています。
また長い来歴ゆえに往時の有識者による極め書きのあるものも付加価値になります。
それ意外には、写真のお品物のように良質な木版画も好条件でお買取りとなる場合があります。
葛飾北斎の略歴
北斎は1760年に現在の東京都墨田区にあたる本所割下水で誕生しました。
20歳で「春朗」の号で浮世絵師としてデビュー、役者絵と美人画で評判を得、30歳頃は「宗理」の号で浮世絵版画のほか狂歌本挿絵で美人画の境地に至り、「宗理風美人」として流行を生みました。
最も知られる「北斎」の雅号は38歳からスタートし、40歳代を通じて使用され一時代を築きます。
曲亭馬琴の読み本挿絵を手掛けると美人画の優美な表現から一転、劇画調の斬新な表現手法を産み出し、北斎の名声と人気は不動のものとなりました。
50歳となり「戴斗」の号に改めた頃には門下生が増え、手習いのための略画早指南を始め、北斎漫画で多彩な画法を簡潔に纏めています。
「為一」を名乗る60歳代では「富岳三十六景」を出版し、神奈川沖浪裏など北斎の真骨頂であるとともに浮世絵・日本美術を代表する名作として世界中で知られる作品が生まれます。
75歳から画号は「画狂老人」「卍」となり、世の中の森羅万象を描く求道者として画狂人を自称し、名の迫力にまったく劣らない新境地を開き続けます。
晩年はより自由な表現を求めて肉筆画を中心に制作、視力と画力の衰え知らずであった北斎の真骨頂は最晩年の岩松院天井画に結実し、制作翌年に数え90歳で逝去しました。
幼少から美人画時代まで
6歳頃より絵を描いていたという北斎ですが、貸本屋と木版彫刻師の丁稚時代に見た絵が決定打となり18歳で浮世絵師・勝川春章の門下に入ります。
勝川春章は美人画で知られ、ブロマイド的な写実要素を持つ似顔絵として役者絵の流行立役者となり、晩年は勝川派代表の座を弟子に譲り肉筆画に専念し1793年に没します。
北斎は勝川派で優美と洗練の表現に磨きをかけますが、絵画への飽くなき探求心は一派に留まることを許さず、師の没後勝川派を脱しました。
浮世絵のルーツをもつ狩野派からも学び、芥子園画伝から中国絵画を、当時浮絵と呼ばれた西洋絵画から一点透視図法をも学び、自身の求める絵画表現のため貪欲にあらゆる画法を吸収する青年期でした。
当時「春朗」のほか「宗理」の号も用い、手掛けた美人画は「宗理風美人」として流行しています。
読み本挿絵から北斎漫画
1798年頃、初めて「北斎」の号を名乗り、曲亭馬琴の読み本への挿絵提供で大きな業績を残します。
曲亭馬琴は日本で初めて原稿料で生計を立てた著述家で、新編水滸伝では現在の漫画にも通じる大胆な構図と作画を見せ、見開き2頁におよぶ大画面は読み本の大きな見せ場でした。
北斎の人気は更なるものとなり、弟子の増えた50歳頃から「戴斗」の号を使用し、画法を
訓え説くため場面ごとポーズごとの書き分けなど詳細に描いた北斎漫画の発行を始めます。
これは晩年まで続くライフワークとなり、北斎漫画は遠くヨーロッパにも新鮮な驚きとともに影響を与えました。
名所絵、富岳三十六景と肉筆画の晩年
北斎60歳頃から「為一」の号を名乗り、より広く知られる代表作「富岳三十六景」をはじめとした「諸国滝廻り」など名所絵を極めていきます。
当時は関所の往来に制限があったものの湯治と伊勢参りは別物とされたため、実態としては東海道の旅行が流行し、庶民の旅行熱に後押しされて名所絵は役者絵・美人画と並ぶ浮世絵人気ジャンルとして確立しました。
しかし一大市場となった浮世絵は制約が増え、自由な表現の枷となり始めます。
75歳頃から「画狂老人」「卍」の号を用いた北斎は次第に肉筆画へ傾倒し、これまで集積した画法の集大成となる作品を残していきます。
葛飾北斎の作品をお買取りいたします。
北斎漫画、富岳三十六景、岩松院天井絵など多才な名作を残した北斎は、100歳まで描き続けられたら真の絵描きになれるだろうとの言葉を遺し、90歳まで描き続け大往生を遂げました。
70余年の経験と天性のセンスは、最晩年の線の震えをも表現に活かすほどでした。
160年が経過した岩松院天井画の退色が少ないことから北斎の描画・彩色技術の高さが伺えるように、北斎晩年に描かれた肉筆画も保存状態が良ければ当時の美しさを残すケースがあります。
いわの美術では美術品・骨董品を中心にお買取りを行っており、葛飾北斎の肉筆画や木版画に関しても多数お取り扱い実績がございます。
専門の査定員が拝見し、中古美術市場に即した最高値のお買取り額をご提示できるよう尽力いたします。
ご自宅やご実家、蔵や倉庫のお片付けで、ご売却をお考えの葛飾北斎の作品がございましたら、ぜひ、いわの美術にご一報くださいませ。