福王寺法林の作品お買取り強化中です!
福王寺法林(ふくおうじ ほうりん)は、山形県出身の日本画家です。
1970年代にヒマラヤの地を実際に訪れ制作されたヒマラヤ連峰を描いた連作、赤富士など富士山を描いた作品で知られています。
幼少期の事故で片目の視力を失う不運、上京してからの苦境に負けず、第二次大戦で前線に立ち数々の死線も超えながら不屈の精神で生還し、画家として活躍する夢を実現しました。
その勇猛な生き様は、代表作である山の絵の稜線の力強さ、静謐としたなかに生命力満ち溢れる画面に表れているようで、現在まで長く人気のある画家の一人です。
人気の福王寺法林の作品
ヒマラヤに代表されるように、福王寺法林の作品の多くは山をテーマにしています。
なかでも晩夏から初秋の、朝日に照らされる一瞬の赤を捉えた「赤富士」は、非常に人気のある画題です。
福王寺法林は「朝富士」とも表現し、薄明るい空に稜線がくっきりと浮かび上がり、一日の始まる朝の希望に満ちた瞬間を捉えました。
太陽が昇りすべてが目覚め一日の始まる朝を好んだ福王寺法林は、第40回院展奨励賞・白寿賞受賞作品「朝」のように、朝の時間を描きとった風景画を多く残しています。
また、峰々の連なる山岳風景が有名ですが、山麓の森林を描いた木々の風景にも定評があります。
写真の作品「磯風」では、白波立つ荒天の海岸で、強い海風を受ける防風林の様子が描かれています。
福王寺法林は植物も愛し、自宅には多くの植物が活き活きと栽培されていたと伝えられ、優れた観察眼と自然を広く愛する姿勢があってこその風景画の美しさと言えるでしょう。
写真の「磯風」のほか、1960年に院展で大観賞を受賞した「北の海」に代表される、海岸近くで波と岩礁や木々を描いた作品はほかにもあり、「岩と波」「朝風」「潮風」「波濤」「北濤」などのタイトルで一定の人気があります。
福王寺法林の略歴
山形県米沢市にて1920年に生誕し、本名は雄一、法林の名は生家と同じく上杉家にゆかりのある法泉寺の住職に授かりました。
福王寺家はかつて上杉家の槍術師範を務めた武家の家系で、さらに遡ると越後国近くの小倉城城主でした。
生来負けん気が強く、6歳の時父親と狩猟中の暴発事故で片目を失明し隻眼となりますが、絵を描くことをあきらめず8歳で地元に隠遁していた狩野派画家・上村廣成の門下生となります。
この少年期の学びは、後の画業の根底に北画が息づくと画家が後述する、基底部を形づくりました。
16歳で画家を志して上京し、苦学のさなか1941年に招集され第二次世界大戦の中国戦線へ赴くこととなりました。
生死を分ける苦境に幾度置かれても、出征前に購入し米沢の家の縁の下土中に埋めた岩絵の具一式を絶対使い画家になるという、確たる意志を持ち続けて生還します。
復員間もなく制作を再開し、1948年に日本画院展出品を皮切りに毎年精力的に出品を続けます。
美術評論家・今泉篤男や、第二の師となる田中青坪との出会いがあり、1953年に東京へ再び転居すると、最初は貧しい環境ながらも画業を積み重ねていきます。
1955年の院展で「朝」が奨励賞と白寿賞を受賞、1957年院展で「朴の木」が大観賞を、翌年「麦」が佳作・白寿賞を受賞し、1960年に「北の海」が日本美術院賞と大観賞となり、日本美術院同人となりました。
この頃、奥村土牛から門下生を預けられ指導にあたり、自身の門下生と統合して翌年「濤林会」を結成し、後進育成にも励みました。
1965年の「島灯」 山種美術財団賞受賞と1971年「山腹の石仏」内閣総理大臣賞受賞と画壇での地位を確かにしながら、山形の山間部で育った幼少期から夢見ていたヒマラヤ探訪実現へ向かいます。
54歳となった1974年、ヘリコプターを用いてヒマラヤの高山地帯へ降り立つ夢が叶い、ここからヒマラヤの連作が始まります。
9回に及ぶヒマラヤ取材をはじめ中国諸都市歴訪など活躍は国内に留まらず、1985年には田中青坪の弟子を高齢となった師に代わり教えることとなりました。
60代後半以降となると米沢市に福王寺法林記念館の開館や、日本美術院監事・のちに理事への選任、紺綬褒章の受賞など集大成ともなる評価を受けながら、出品を続けます。
晩年とくに富士山を描いた風景を多く出品し、福王寺法林作品の人気を不動のものとし、1997年勲三等瑞宝章を受章、翌年には文化功労者に選出され、2004年に文化勲章を受章しています。
福王寺法林の作品をお買取りいたします。
大戦後の復興期の早くから日本画家として頭角を表し、昭和後半を通じて高く評価されてきた福王寺法林の作品は、とくに50歳代後半から一大テーマとなったヒマラヤシリーズに注目が集まっています。
晩年とくに出品作にも多く見られた「赤富士」やその他富士山を描いたものも人気があり、サイズの小さな場合でも中古市場で高値での取引が散見されます。
福王寺法林の愛好家、コレクターは、とくに作家のサインや落款のある作品を好む傾向にあり、共箱、タトウ箱、共シール、画廊の証明書等によってお買取り査定が上下します。ご売却をお考えの際は、揃えば査定額がプラスとなりますので、ご確認ください。
いわの美術では美術品・骨董品を中心にお買取りを行っております。
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日本画・掛軸のほか、書道具や茶道具など異なる品目と合わせてのお買取りも可能です。ぜひご検討ください。