本名、エミール＝アントワーヌ・ブールデルは、フランスの彫刻家で、20世紀の彫刻のパイオニアの一人としてその名を挙げる事ができます。
「考える人」でお馴染みのロダンとは20歳以上の歳の差がありましたが、彫刻の師匠でもあり、お互いを理解し合える友でもありました。
アントワーヌ・ブールデルは13歳の頃、家具職人で木彫り彫刻を行っていた父親を手伝い始め、その後、モントーバンでアングル美術館の創設者に絵画を学び、トゥールーズの美術学校で彫刻を学びました。
作品は、ロダンの持つ力強い表現力と大胆な構想力を受け継ぎ、作品にもロダンの影響を強く受けたものが見受けられますが、次第に変化してゆき、アルカイック期の古代ギリシア美術とロマネスク美術を取り入れた、彫刻の建築学的な構成に基づいた素朴で力強いスタイルを築き上げました。
その代表作として1888年に発表したベートーベン像は、ベートーベンの音楽に出会った事でインスピレーションを受け、大小45種類のベートーベンの像を制作しています。
その後、「ヘラクレス像」や記念碑的な巨大彫刻を数多く手がけ、アルゼンチンでは「アルベアル将軍騎馬像」、ポーランドでは「ミツキエヴィッチ像」などの制作を行っており、肖像彫刻にも優れた作品を残しています。
また、後進の指導にも熱心に行っており、アルベルト・ジャコメッティ、アリスティード・マイヨール、保田龍門、清水多嘉示など優れた芸術家を育てた事でも知られています。
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