香月泰男は、自分自身の体験をもとに、生涯、作品を通して痛烈な戦争批判を続けた画家として知られます。
香月泰男は、過酷なシベリア抑留を体験し、これがその後の作品制作全体のルーツとなったといわれています。
香月泰男は、戦争によりシベリア抑留され、その後は解放されたはずが、逆にシベリアに囚われたように制作を続けたといわれています。
そういった香月泰男の作品群は、いつしかシベリア・シリーズと呼ばれるようになりますが、香月泰男が亡くなるまで描き続けた戦争とシベリアという題材は、一見暗い表現にもみえますが、その作品には、故郷日本で過ごした平和な日常への感謝と、家族へのあふれる愛情にあふれています。
香月泰男の幼少期は、幼くして両親と生き別れ、祖父母に育てられました。孤独な少年時代を送った香月泰男の心の支えは、絵を描くことだったそうです。早い時期から特別な才能を発揮した香月泰男は、祖父のお金を持ち出しては水彩絵の具を買い、離れて暮らす母親に無心するなどして、高価な油絵の具を手に入れたりしたのだそうです。そして、ひたすら絵を描き続け、28歳の時、斬新な構成「兎」という作品で文部省美術展覧会の特選を受賞し、一躍画壇の注目を集めますが、
その後は、戦争という過酷な運命に見舞われ、シベリアで強制労働など極限状態を経験します。帰国後は、これが原体験となり、その後の作品全体の主題・背景となっていきます。
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戦争を繰り返す人間の愚かさを描いた、香月泰男の作品に「青の太陽」がありますが、こういった作品に表現されるように香月泰男は、静かに、力強く反戦への思いを訴え続けました。
魂の叫びを伝える香月泰男の絵画作品は、市場評価が高く、高価買取の期待がもてる作家の一人です。
香月泰男は、没後40年以上を迎えた今でも、人気が衰えることがなく、いわの美術でも買取を強化しています。
香月泰男のシベリア・シリーズの死者を描いた作品は、心につきささるものがあり、胸を締め付けられる思いのするものがありますが、帰国後しばらくしてからはタヒチや、ギリシャ、スペイン、モロッコ、カナリヤ諸島など海外へ精力的に出掛け、各地をスケッチした連作が話題を呼び、多くの画集なども刊行されました。晩年は、日本芸術大賞を等を受賞し、没後には、勲三等瑞宝章受賞しました。
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