端渓硯の宋坑をお買取りいたします。
写真のお品物は、いわの美術で以前お買取りいたしました、端渓硯です。
今回お買取りいたしましたお品物は、端渓硯のなかの「宋坑(そうこう)」という種類で、赤味のある独特な色が美しいお品物でした。
端渓硯は硯の王様との呼び名の通り、古来より最上の硯とされ中国の歴代王朝で重用されてきました。
近年では坑道の閉鎖などをうけ産地の状況が大きく変化し、古い端渓硯は価値あるお品物として中古美術市場で高い人気があります。
端渓硯の産地
端渓硯は中国の南部、広東省肇慶府高要県肇慶市で採れる石から作られます。
肇慶市は州都の広州市から西へ約100キロ離れ、古くは端州と呼ばれていました。
市南部を黄河・長江につづく中国第三の河と云われる西江が流れ、流域の山々は豊富な地下資源に恵まれました。
西江沿岸の羚洋峡(れいようきょう)と呼ばれる地域一帯で産出する石を端渓石と呼び、端渓硯はここから作られます。
羚洋峡は西江を挟み西側に七星巖と北嶺山、東側に斧柯山(ふかざん)がそびえ、広東随一の景勝地でもあります。
これらの山に優秀な硯石が採掘される洞坑が点在し、洞坑の石質の違いから硯も区別され、老抗・坑仔坑・麻仔坑・梅花坑・緑石坑・宋坑などとて知られています。
端渓硯の歴史
端渓硯の歴史は古く、伝世品や陵墓出土品、歴史資料や詩文の記録から、唐の初代高祖の頃にはすでに普及していたと考えられています。
端渓硯は出現から間を置かずして随一の硯となり、書画を必須の教養とする中国の長い歴史のなか、歴代王朝の朝貢品として最上級の端渓硯が作り続けられました。
端渓硯の種類
端渓硯は産出する洞坑ごとに種類が分かれます。
とくに老坑・坑仔坑(こうしごう)・麻仔坑(ましこう)は、端渓三大名坑と名高く、歴代の有力者をはじめ多くの書画を能くする人々に愛されてきました。
三代名坑に続くものに、今回お買取りしました宋坑、そのほか梅花坑・緑石坑が挙げられます。
宋坑とは
端渓硯の「宋坑」は七星巖の後方、北嶺山一帯にある洞坑で採れる石から作られます。
宋代に開坑されたことから、宋坑の名称となりました。
宋坑の肌理は鋒芒(ほうぼう・表面にある微細な突起)が強いため墨の下りもはやく、老坑・坑仔坑・麻仔坑の端渓三大名坑に次ぐ優秀な硯とされてきました。
古くから濃茶に紅・紫の混じった特徴的な石色で知られ、中国の古書や詩にも馬肝色(ばかんしょく)、猪肝色(ちょかんしょく)として登場しています。
長い歴史をもつ宋坑の硯ですが、中国政府の地下資源保護施策の影響のもと、洞坑は1999年に老坑に続き閉鎖されてしまいました。
そのため新しい硯は採掘済みの石材がなくなり次第、作れなくなり、古い硯の重要性が増しています。
端渓硯のお買取り強化中です!
端渓硯は長い歴史に裏付けられた確かな価値があり、実用・鑑賞それぞれに秀でた名品が多くあり、貴重な骨董として古美術市場でも多数のお取引がございます。
耐久性に富む石を素材としているため、使用された中古のお品物であっても価値があります。
また昨今の硯石採掘停止によって、今後ますます古い端渓硯への注目が増すことが期待されます。
文房至宝として希少な中国の古硯は、端渓硯のほかにも、
・歙州硯(きゅうじゅうけん)
・洮河緑石硯(とうがろくせきけん)
・松花江緑石硯(しょうかこうりょくせきけん)
があります。
それぞれ色味、石質に異なる魅力をもち、こちらも古美術市場で人気がございます。
いわの美術では、骨董品・古美術品のお買取りを行っております。
端渓硯をはじめとする書道具・中国骨董・文房四宝の専門知識を有する査定員が在籍し、お品物を丁寧に査定いたします。
ご親族の遺されたもの、ご自身で以前お買い求めになったものなど、ご自宅やご実家、蔵や倉庫にご売却をお考えの端渓硯がありましたら、ぜひ、いわの美術にお任せくださいませ。
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