紀元前三世紀頃に著書された薬物学書で、
「黄帝内経・難経・傷寒論」と共に
中国の古典として非常に有名です。
早くに原本は紛失しており、
500年頃に「陶弘景」が著書した書物の中で
神農本草経の原本が引用されていた事から
復元本や注釈書として金世にまとめられました。
1年の日数に合わせた365種類の薬物と、
それぞれの薬効について記されています。
無毒で長期間服用可能な「上品(上薬)」は
元気が増して不老長寿の作用があるとされ、
使い方次第では毒になる「中品(中薬)」は
虚弱な身体を強くして病を予防する効果があり、
毒が多く長期間服用不可な「下品(下薬)」は
病気を治療するために使用されるという、
現在の医薬品の分類である「第一種・第二種・第三種」と
似たような分類が古くから存在していたことが確認でき
歴史的史料としても高い価値があります。