開国が進み、貿易港では洋銀から一分銀への両替が頻繁に行われ、一分銀が底を尽きてしまいました。
しかし、洋銀から一分銀への両替を快く思っていなかった幕府は一分銀の増産をなかなか行いませんでした。
そこで、アメリカ合衆国の外交官であるハリスが洋銀に「三分」の極印を打って日本国内で三分の価値があるものとして使えるように要求し、安政6年に誕生したのが改三分定銀です。
銀座から派遣された銀座役人と常是役人らによって、メキシコ8レアル銀貨などに「改三分定」と打たれ出回るようになりましたが、両替商に持ち込んでも三分の額面として扱われる事はなく、それよりも低い二分二朱ほどであったため発行から半年で中止となりました。
現存するものはメキシコ8レアル銀貨のみで、極印の文字が「大字」と「小字」の2種類が存在しており、「小字」の方が現存する枚数が多いといわれています。
コレクターの間では、70万前後の評価額がついています。