幕末に流通した銭貨ですが、流通期間は短く、貨幣価値は4文とされていました。
刻まれている文字には3種類存在しており、若年寄(老中格)・小笠原長行の筆によるもので「真文(しんぶん)」と呼び、草書体の「攵」となっているものが老中・板倉勝静の筆によるもので「草文(そうぶん)」と呼び、草書体で「寳」の字が「宝」となっているものが政事総裁職・松平慶永(松平春嶽)の筆によるもので「略宝(りゃくほう)」と呼ばれています。
実質的に日本最期の穴銭といわれていますが、コレクターの間ではあまり人気がない古銭で、その理由としては、小変化があまりにも多く、入手可能な母銭(銭の型の基になるもの)は種類が限定されていたり、寛永銭に比べると有名品が少ない事が原因のようです。