戦地に駐留している軍人が郵便物を出す時に差出通数の管理などを目的に使用する切手です。
第二次世界大戦までは世界各国の軍隊が使用しており、たくさんの種類が発行されました。
また、現在でも国連平和維持軍などでは軍事郵便が存在していますが、スタンプレス化やインターネットによる通信手段の発達によって軍事切手の発行はほとんどありません。
日本では、20世紀初頭に中国や朝鮮半島、関東州や南洋諸島に駐留していた大日本帝国陸海軍の下士官兵士に、ひと月に2枚支給されていました。
1910年12月1日に通常切手の菊3銭に「軍事」という二文字を黒で加刷して発行されたのが最初といわれ、正式には軍事郵便証票といいます。
封書や葉書に切手が貼ったままの状態をエンタイヤと言い、切り取らずに封書に貼ったままでもコレクターの間では価値があります。
そして、配給に間に合わず、遠征先(中国山東半島)で許可なく印刷された「青島(チンタオ)軍事切手」が存在しています。
この加刷は「軍事」の文字をゴム印を使って行われており、ものすごく希少価値が高い切手といわれています。
青島(チンタオ)軍事切手の未使用品はとても価値がありますが、偽物の可能性も極めて高いので注意が必要です。