天智天皇の近江京の時代(667~672年)に使用されたとされる日本最古の貨幣で、政府が造った公式の貨幣ではなく、私的に造られた貨幣です。
銀板を叩いて成形されたものなので、形が不ぞろいで、重さも8~10gとバラつきがあります。
関西地方を中心に出土している事から、全国的に流通が広まっていたわけではなさそうです。
また、厭勝銭としてまじないの時などに使用された銭だという説もありますが、重量調節を施したであろう銀の小片がくっついているものも多く見つかっている事と、唐時代に制定された重量制度の「一両」の約1/4の重さに近いことから、実際には地金価値で取引された秤量貨幣または計数貨幣だったという説や有力とされています。