青山亘幹は神奈川県出身の美人画を得意としている日本画家で、終戦した1945年に神奈川県川崎市で生まれました。
東京芸術大学に進学し、同校の大学院を修了しています。
作品は主に美人画で、在学中に画家の登竜門ともいわれている昭和シェル主催のシェル芸術賞で1等を受賞しています。
シェル芸術賞受賞後も京都の美術工芸で新進気鋭の美術工芸作家を紹介する新鋭選抜展などで多くの賞を受賞し、現在でも活躍しており高い評価を得ています。
青山亘幹は当初、ヌード画や西洋画に興味がありましたが徐々に日本画に移行していきます。
作品のモチーフは舞妓が多く、京都でたまたま見かけた事がきっかけとなり、「様式美」「立ち振る舞いの中にある瞬間の美」に惹かれているそうです。
青山亘幹の作品には瞬間的に表れる凛とした美しさをイメージとして消えないうちに画面にとどめようとしているようにも感じられるともいわれています。
また、青山亘幹の舞妓の作品は横顔を見せる構図に落ち着いた気品を感じる黒髪も特徴的です。
落ち着いた気品のある黒髪とは対照的に可愛らしい簪(かんざし)に白塗りのお化粧に赤い口紅が際立ち、舞妓だけが持っている日本美人の特徴を見逃していません。
その他にも青山亘幹の作品は綺麗でか細く、可憐でか弱さを感じる中に芯の強さが上手く表現されており、色使いは艶かしくリアルでよくある日本画様式とは違ったものを追及しているようにも感じます。
青山亘幹は現在でも舞妓、浴衣姿の女性、牡丹、椿といったような日本美を求めて活躍しています。