島根県出身の昭和後期~平成時代の日本画家です。
京都市立芸術大学名誉教授、京都造形芸術大学教授として活躍し、優れた表現力の作品は多くの作家に影響を与え続けてきました。
また、写実主義的な追求続けながら象徴的世界の表現を試みています。
京都市立絵画専門学校(現:京都市立芸術大学)に入学しましたが、在学中に徴兵され、復員後の日展に出品した作品が初入選となり、画家としての活動が始まりました。
その後は活動の場を創造美術に求め、中心的存在として活躍し、第21回芸術選奨文部大臣賞を受賞し、それ以後の賞は辞退するようになりました。
創画会に設立当初から在籍し、現在に至るまで、舞妓、裸婦を主題にした多くの作品を描き、その鋭い洞察力による造形性と官能性を融合させた女性美の表現で知られています。
石本正というと裸婦画の作家というイメージが強いかもしれませんが、花や鳥を題材にした作品も手掛けており、生命力感じる作品に仕上がっています。
また、イタリアへ渡り、中世イタリアを取材した作品を多く発表し、2001年にはふるさとに石正美術館が開館し、新たな美術文化の全国発信の拠点として、自らが指導する絵画教室をはじめとする様々な催しが行われています。