北海道出身の昭和~平成時代に活躍する日本の洋画家です。
オランダ・アムステルダムの風景を数多く手掛けている事で知られており、油彩画でありながら透明感のある高い描写力をいかした作品は高い人気を誇っています。
また、光を感じさせる表現を得意としており、樹木の表現においては独自のリアリティを持っており、みずみずしく色鮮やかな色彩は「小田切グリーン」と呼ばれています。
そんな小田切訓は北海道のオホーツク海沿岸の港町で育ち、小さい頃から砂浜の貝殻を使って絵を描いていました。
高校生になると美術研究所に入り、素描の修練を重ね、しっかりと基礎を築きあげていきました。
日展に入選し、示現会で佳作賞を受賞するなど、画家としての才能を見出した小田切訓は画家としての道に進む事を決意します。
こうして、数々の賞を受賞する作家へと成長すると、その作品は多くの人々に素直に受け入れられ定着していきました。
小田切訓は油彩画を手掛けていますが、絵筆には蒔絵筆を使用しており、あの独特の線描きを生み出しています。
蒔絵筆は油彩画には不向きな筆ではありますが、この筆で思うように描けるようになるまでに10年は費やしたそうです。
また、小田切訓作品の代名詞であるオランダ・アムステルダムの風景を描く理由として、「運河は水面を眺めていても飽きる事はなく、これほど絵になる町も他にはなく、食べ物や運河沿いの木々などが生まれ故郷と通ずるものがある」としています。
そして、功名な写実力の秘密は自宅にある舟の模型をデッサンする事で得たそうです。