20世紀に活躍したフランスの画家で、シュルレアリスムの画家として知られています。
ジョルジョ・デ・キリコの絵画を目にした事で画家になりたいと思い、これまでに美術経験はまったくありませんでしたが、独学で画技を習得していきます。
そんな中、シュルレアリスム運動の画家たちと出会い、独自の絵画様式を身に付けます。
友人であったジャック・プレヴェールの紹介でアンドレ・ブルトンに学んだ事もあり、アンドレ・ブルトンからは「もっとも純粋なシュルレアリスト」であると評されています。
イヴ・タンギーの作品は昼夜の区別がなく、どこなのかも分からない海底や宇宙空間のような場所に骨片や小石のような物体がひしめきあっている美しい色の諧調世界を描いています。
そのため、つけられるタイトルも奇抜なものが多く、日本語には定訳がありません。
そんなイヴ・タンギーの作品ですが初期の頃は、人間や建物などの具象的なモチーフも描いています。
しかし、残された作品は少なく、画家としてもまだまだこれからという時にベッドから起きる際、不注意で頭から落ちてしまった事で亡くなってしまいました。
イヴ・タンギーは几帳面な性格でしたが、無口だったため、作品については多くを語る事はありませんでした。
しかし、作品を見ると現実世界ではなくイヴ・タンギーの心の世界を表現している事が伝わってくるので、多くを語る必要はなかったといわれています。
また、イヴ・タンギーは生涯に2度の結婚をしていますが、2度目の結婚相手ケイ・セージとはアメリカへ亡命しています。
ケイ・セージはイヴ・タンギーが亡くなった後、8年かけて、彼の全作品463点の目録を完成させ、自ら命を絶っています。