イタリア・フィレンツェ出身のルネサンス期に活躍した画家です。
本名はパオロ・ディ・ドーノと言います。
床屋兼外科医をしている家に生まれ、15歳の時にロレンツォ・ギベルティの工房に弟子入りして絵を学びました。
一方で、医師薬剤商組合にも登録された記録が残っています。
ヴェネツィアで修業を重ね、サン・マルコ聖堂のモザイク装飾を手掛け、フィレンツェ大使の推薦を受け帰国し、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の仕事を受けることになりました。
ここではフレスコ画「ジョン・ホークウッド」や西壁の時計の文字盤とドーム下部のステンドグラス3枚を担当しました。
また、遠近法を駆使して制作された「大洪水と終息」はウッチェロの最高傑作といわれています。
この頃から遠近法にのめりこみ、時には数学者と思わせるほどの熱中ぶりで「遠近法が彼の想像力を奪った」とまで言われるほどでした。
遠近法の他にも写生をしていても実際の色とは違う、自分の感じたとおりの彩色を行い周囲を驚かせていたそうです。
出来上がった作品は後のシュールレアリズム絵画に大きな影響を与えました。