ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは南ネーデルランド出身のベルギーで活動した画家で、「バラの画家」「花の画家」として知られています。
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテの祖先はネーデルランドの騎士でした。
また芸術家を多く輩出した家系でもあります。
父は宗教画家、兄弟は装飾画家だった事もあり幼少から芸術に親しみ、10代後半にはパリにある兄が働いていた工房で自身も装飾画家として働くようになります。
植物画家のヘラルド・ファン・スペンドンクに才能を見いだされ技術を学んだ後に植物学者のシャルル=ルイ・レリティエ・ドゥ・ブリュテル著作の「新種植物の記述」の挿絵を手掛けたことで有名になり植物画の世界に入りました。
ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテの作風は写実的でとにかく正確だったことから園芸家などから支持されていました。
後にナポレオン1世の皇后ジョセフィーヌが世界中のバラを蒐集していた情報が入るとバラの絵を描くという発想が生まれ、ジョセフィーヌからバラ園の出入りを許可されたといわれています。
後に皇后の蒐集室付素描画家、自然史博物館付植物画家、自然史博物館付図画講師を歴任し、いくつか植物図譜を作成していますが中でも「バラ図譜」は最高傑作といわれており、169種類のバラが精密に描かれ芸術的価値のみならず植物学上でも重要な資料となっています。
皇后の元で働くことが出来たピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは金銭的にも恵まれていました。
しかし浪費癖があった為に困窮する事もあり、死の直前には銀食器を売り払うほどだったそうです。