千葉県出身の日本画家です。
千葉県東葛飾郡木間ケ瀬村(現・野田市木間ケ瀬)の無量寿院に生まれました。
真言宗住職であった父親の跡を継ぐため13歳から僧侶としての修行を始めましたが、幼少の頃から絵を描くのが好きだったのでその思いを断つ事ができず、山本丘人、田中青坪らに師事し日本画を学び、仏道と小学校の教師を続けながら師の青坪が所属する日本美術院(院展)ヘ出品し初入選を果たしたのと同時期に僧侶の修行の為、制作から離れざる得なくなりましたが「どうせ苦労するなら好きな道でしろ」という父親の言葉で意を決し、仏道と教師の仕事を捨て、画業に専念するようになります。
それからの活躍は素晴らしいもので、日本美術院賞・大観賞、文部大臣賞、内閣総理大臣賞を受賞し院展の看板作家として活躍、そのほかは日本秀作美術展出品や個展を開催し地位を築いていきました。
写生を基本とした写実風景画を中心に四季折々の情趣のなかに、奈良、京都など日本の古都の風物を端正でみずみずしい情感と、宗教的な荘厳さで描く作品は高く評価されており、他にも雄大な中国の自然やそこに生きる人々、北海道の自然などを謙虚な畏敬の念と、優しくかつ厳しい眼差しのもとに描いています。