和歌山県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の洋画家です。
馬を描く名手として知られ、ロンドンのホース・アーティスト・オブ・ザ・ワールドにも度々招待出品するほどの実力を持ってた事はとても有名です。
また、馬を題材にした作品以外にクラシックバレエやフラメンコの踊り子などを手掛けた作品もみせており、中でも特殊な作品が中近東で今も続く戦争や湾岸戦争を暗喩した文学性の高い作品も発表しています。
独学で水彩画を研究した中畑艸人は、帝展、新文展に出品を重ねていましたが、独学では限界があると感じ、上京して硲伊之助に師事しました。
硲伊之助に師事してからは油彩画を始めるようになり、自らの画境を広めた中畑艸人は、一水会に出品を重ね、数々の賞を受賞する画家へと成長していきます。
はじめの頃は風景画を中心に描いていましたが、動感に満ちたものに魅せられるようになりモチーフを労働者の群集へと変えていきました。
戦後になると競馬場で躍動する馬を見たのをきっかけに、馬をモチーフとした作品を手掛けるようになり、国内外の馬の産地を数多く取材し、連作を発表しています。
中畑艸人自身、「馬に至っては、何度描いても描いても尽きることなく形を変えて、私の筆を動かさせる」と語っており、これまでに手掛けてきた海、帆船、壮大な空、バレリーナなどのモチーフの中で作品の数が多い馬のモチーフが画家として一番充実していた事が分かります。
中畑艸人の馬好きは画家としての活動以外にも日本中央競馬会馬事文化賞選考委員をつとめるなどの仕事をもたらしました。
数多くのモチーフを手掛けた中畑艸人は生涯に個展を40数回以上も開催するなど、成功した画家として亡くなるまで活躍をみせました。