長野県出身の昭和~平成時代に活躍する日本画家です。
日本画にとらわれない新しい日本画をめざし、伝統的な花鳥画をもとに本物よりも本物らしく描く事で知られており、桜、牡丹、椿など日本を代表する草花を中心に描いています。
その中でも桜花図の第一人者として知られ、日本各地の名木、古木の桜をじっくりと観察し、丹念なスケッチを行った上で華麗で幻想的な作風に仕上げた作品は多くのファンに人気があります。
大正~昭和時代に活躍した日本画家・中島清之(きよし)の三男として生まれた中島千波は、幼い頃から父親に日本画を学んでいました。
その後、東京藝術大学へ通い、安保闘争やベトナム戦争などによって社会情勢の影響によって精神的思想を多感に受けたことによる絵画表現を色々と学びました。
それは院展で数々の受賞を重ねるという結果で表れており、しばらくは院展を中心に活躍を続けました。
近年では画壇から離れ、個展を中心に活動を行っており、桜の画を生涯にわたり研究しており、忠実な色彩と構図は誰も真似できないとされています。
伝統的な写実技法に現代感覚を取り入れた華麗な世界を描く中島千波ですが、シュルレアリスムを代表する画家ルネ・マグリットの影響を多く受けたことにより生まれた「窓シリーズ」も高い人気を得ています。
また、新聞や雑誌の挿絵や表紙絵を手掛けており、天井画や新しくなった歌舞伎座の緞帳(どんちょう)のデザインを手掛けるなど多岐に渡り活躍をしています。