神奈川県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の洋画家です。
室内での静物画や人物画を数多く発表しており、フォルムの単純化、明暗を絶妙に使い分け、独自の色彩感覚と明快な色彩使いで描かれるマチエールはまさに写実的で、独特の世界観を放っています。
また、何度かヨーロッパへも渡っているため、ヨーロッパの風景を描いた作品も見られ、光と影、明暗を使い分ける技術が惜しみなく使われているのが分かります。
画家を志して入学した東京藝術大学では伊藤廉の教室に所属し、卒業制作で学内賞の安宅賞を受賞するなど、学生時代からその実力が表れていました。
卒業後はどの美術団体にも所属せず、画壇の展覧会にも出品しなかった中村清治は、活躍の場を個展やグループ展のみとしていました。
それでも日本の美術界は中村清治の才能を見逃す事はなく、次々に名誉ある賞を受賞し、日本の美術界に名を馳せていきます。
常に新しいものを求めて制作を続けていた中村清治は、40周年記念展を開催した翌年にスケッチ旅行として渡欧し、これを機にこの世を去るまで短い間隔で渡欧を繰り返し、個展を開催するなど精力的に画家として活動を続けました。