愛知県出身の昭和後期~平成時代に活躍する日本の洋画家です。
印象派による鮮やかな色の配列の視覚混合をフランスの画家ジョルジュ・スーラがさらに追求し、完成させた点描画法を用いて描き続ける事にこだわっています。
その作品は常に自然の美しさを表現し続け、ヨーロッパの美しい風景を独自の視点で描いており、写実性に富み、こだわり抜いた描写はため息が出るほどの美しさを持っています。
そのため、中根寛の描く点描は「繊細で清澄な点描」と評価されています。
画家を志して上京した中根寛は、東京藝術大学油彩画科に入学し、卒業後も東京藝術大学美術学部専攻科で学び、点描画法に目覚めた中根寛は点描技術に磨きをかけるため、ヨーロッパとエジプトに渡り、半年間滞在しました。
帰国後の中根寛の作品は絶妙な色彩バランスを持ったレベルの高いものへと成長しており、ヨーロッパの古城や田園風景などを中心に作品を発表していきます。
また、日本の雄大な風景にも心奪われ、京都の風景、日本の城、山岳風景、海岸風景など数多くの日本の風景を描き残しています。
黒土会を結成して大きな美術団体に所属する事なく、各展覧会に出品し受賞を続けた中根寛は、海外取材を行いながら東京藝術大学で後進の指導にあたり、現在、東京芸術大学名誉教授となっています。