オランダの初期フランドル派の画家です。
ブルゴーニュ公爵領ネーデルラントのトゥルネーで生まれ、出生名はロジェ・ド・ラ・パステュールといいます。
ロベルト・カンピンのもとで絵を学んでいたといわれ、師匠の技量を上回るまでに成長し、最終的には師匠の作品に影響を与えたそうです。
その後、聖ルカ組合にマイスターとして登録され、画家としての評価を不動のもとしました。
ウェイデンの作品はイタリアやスペインに持ち込まれ、ブルゴーニュ公フィリップ3世のようなネーデルラントの貴族階級や、諸外国の王侯貴族からの絵画制作依頼を受けるようになりました。
この功績を称え、ブリュッセル公式画家としての称号を与えられ、この時に名前をフランス風からオランダ風の「ファン・デル・ウェイデン」と改めたと言われています。
また、公式画家という称号はウェイデンの為に新設されたもので、ウェイデンの死後は廃止されています。
キリスト教を主題にした祭壇画や宗教画、肖像画を描いており、特に肖像画は実在の人物をモデルとし、非常に高い観察力で写実的に描き上げました。
多くの色と様々な色調を用いて制作していおり、もっとも優れた作品では一箇所として同じ色調は見られず、白色でさえも様々な階調で塗り分けられています。
当時にもっとも成功して、国際的に名声を得た画家として有名で、現在ではロベルト・カンピン、ヤン・ファン・フェイクとともに初期のフランドル派を代表する三代巨匠といわれています。