ロンドンのクラーケンウェル出身のイギリスの画家、イラストレーターです。
主に猫を対象にした作品を多く残していることで有名で、動物に関係したチャリティー活動にも多数参加しています。
6人兄妹の長兄として生まれ、ウエスト・ロンドン美術学校を卒業すると、教師の仕事に就きますが、父親が亡くなってしまい、ウェインが大黒柱となって生活費を稼ぐ事になりました。
教師の仕事は給料が安かったため、美術学校で習った経験を活かし、フリーの画家として働く事にしました。
雑誌の挿絵として動物画や風景画を描き、生計を立てていきました。
妹の家庭教師をしていたエミリーと結婚しますが、エミリーはがんに侵されてしまいます。
病に苦しむエミリーを元気づけようと、飼っていた猫に眼鏡をかけさせ、本を読んでいるようなポーズをとらせたりしていました。
この出来事が後のウェインの擬人化された猫の絵を制作するきっかけになっています。
動物の擬人化はヴィクトリア朝における流行であり、グリーティング・カードなどに用いられる事が多くウェインも数々の作品を残しています。
ウェインの描く擬人化された猫は、人間をモデルにスケッチをして、その人間を猫に置き換える手法をとっているため、人間らしい部分を見る事ができ、親しみを感じる事ができます。
作品の人気が高まり、絵の取引も頻繁にされるようになったにも関わらず、金銭感覚に疎く職人気質だったウェインは、作品を安く買いたたかれ、作品の権利も取引相手に任せっきりだったのでウェインにとって不都合な契約が多く、挙句の果てには後先を考えない買い物をしてしまい、お金に困る事が多かったそうです。
ウェインの人気はアメリカまで広がり、取引相手にだまされたり、忙しく辛い日々が続くようになり、精神的に不安定になってしまいました。
妹達に面倒を診てもらっていましたが、だんだんと暴力的になり精神病院へと入院する事になりました。
しかし、お金が無かったので環境の整った病院に入れる事ができず、ウェインの心はさらに病んでいきました。
それを知ったハーバード・ジョージ・ウェルズらによって、環境の整った居心地の良い病院に移る事ができました。
ウェインはこの病院で猫のイラストを描き続け、だんだんと穏やかさを取り戻していきましたが、退院することなく人生に幕をおろしました。