東京都出身の昭和時代~平成時代にかけて活躍する日本画家です。
緻密で繊細な描写によって文学色の濃い幻想的な作風で知られており、伝統的な日本画の世界に新風を吹き込んだ事で知られています。
佐藤晨は本名を佐藤昌美といい、東京都で生まれましたが疎開のため高校卒業まで岩手県で過ごしていた時期もありました。
高校を卒業すると東宝映画宣伝部に入社して直営館関係の宣伝業務に携わりながら、仕事の合間に独自に油彩画やペン画を勉強するようになり、やがて画家を志すようになります。
こうして多摩美術大学の日本画科に入学し、日本画の基礎を学んでいきました。
もともと独学で油彩画やペン画を嗜んでいた事もあり、その頭角はすぐに表れました。
それはこれまでの日本画とは違う独特の視点で対象物を写実的に心像風景で描く日本画でした。
こうして新制作展を作品の発表の場とし、新作家賞、春季賞など数々の受賞を重ねていきます。
佐藤昌美という名で創作活動を続けてきましたが、1993年に佐藤晨と改号し、創画会に所属し、会員として作品を発表し続けました。
特に「夜シリーズ」は佐藤晨の名を一躍有名にした作品として知られ、幻想的な作品に心奪われるファンも多かったそうです。