愛知県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の洋画家です。
父は人形浄瑠璃三味線師匠の杉本銀次郎です。
小さい頃から絵が好きで、美術学校に行きたかったが、経済的理由から工業高校へ進学し「図案(現在のグラフィックデザイン)」を学びました。
当時は不本意ながら身につけた図案のノウハウでしたが、卒業後はグラフィックデザイナーとして鉄道会社を中心としたポスターや商業デザインの仕事をてがけるようになりました。
有名なところでは、名古屋市営地下鉄、常滑市のマーク、青柳ういろう、名鉄百貨店の初代の社章、御園座のどん帳、大須観音の鐘などが杉本の作品です。
京都に出ると岸田劉生の門下に入り、春陽会で初入選をはたし、吉川英治の「新・平家物語」、「私本太平記」等の挿絵を担当したことにより一躍人気を得ました。
1940年頃から奈良の風物に魅せられ奈良通いを始め、東大寺観音院上司海雲師の知遇を受け、観音院の古土蔵をアトリエにしてもらい、奈良の風物を描くようになりました。
その後、名古屋鉄道によって愛知県知多群美浜町美浜緑苑に杉本美術館が開館し、売らずにいた絵画が収蔵され、晩年まで毎週、足を運び、美術関内に設けられたアトリエで、デッサンや来館者との歓談を楽しんでいました。