スペイン・カタルーニャ地方バルセロナ出身のスペインの画家です。
シュルレアリスムの運動に参加した事からシュルレアリストに分類されている画家ですが、その作風は写実的技法を用いる他のシュルレアリストとは大きく異なる事で知られています。
そんなジョアン・ミロの作品は人物、鳥などを激しくデフォルメした有機的な形態、原色を基調にした激しい色使いに特徴があります。
バルセロナの宝石商の息子として生まれたジョアン・ミロは、絵画に興味を持ちながらも商業学校に通い、卒業後は商社に勤めました。
しかし、うつ病と腸チフスを患った事で商社を辞め、療養のためにカタルーニャのモンロッチという村に移り住みました。
ここでの生活はジョアン・ミロが芸術家としての人生を歩むきっかけとなり、病状が落ち着くとバルセロナの美術学校へ入学します。
その後、パリとモンロッチを往復しながらの制作活動が始まり、この時にピカソやシュルレアリスム運動の主唱者であるアンドレ・ブルトンと出会いました。
ジョアン・ミロの作品はアンドレ・ブルトンに「ミロの絵画こそが真のシュルレアリスムである」と高く評価され、シュルレアリストのグループに迎え入れられます。
しかし、ジョアン・ミロはそのメンバーたちと一線を置いて制作活動に励んでいました。
また、画家としてだけではなく、芸術全般で名声を得たいと思うようになったジョアン・ミロは、作家のアーネスト・ヘミングウェイやヘンリー・ミラーなどと交流を深め、自らの作品に反映していきました。
戦争によってアトリエと住む場所を変えながら、マヨルカ島に移ると、マヨルカ島のあるパルマに大規模なアトリエを構え、以後、活動の拠点としました。
このアトリエでは絵画以外の分野の職人との共同制作を行い、陶器、壁画、彫刻などを次々と生み出し、バルセロナにその作品を収蔵する美術館を設立しました。