静岡県出身の昭和~平成時代に活躍する日本の洋画家です。
写実的な風景画を得意とする画家で、特に南ヨーロッパには何度も赴き、時には絵を描くためだけに1年間アパートの一室を借りて制作を行うなど、フランスの風景に魅了された画家でもあります。
そのため、「自分の体力が続く限り南ヨーロッパの風景を描き続けたい」と述べており、まだ自分自身が気付いていない本当に描きたい何かを求めて制作活動を続けています。
画家を志して上京した塚越仁慈は武蔵野美術大学に入学しますが中退し、その翌年にフランスへ渡っています。
フランスでは卓越したデッサン力を持つジャン・ジャンセンに師事し、画技を磨いていきました。
この時に藤田嗣治に出会っており、藤田嗣治の影響を受け、白の絵肌を作り出し、ヨーロッパの風景に挑み続ける事を決意しています。
フランスのル・サロンに出品を果たすと帰国し、太平洋展や昭和会展に出品し、受賞を重ねます。
そして、文部大臣賞、内閣総理大臣賞を受賞し、フランスでもハプスブルク宮家より王朝芸術遺産賞を受賞するなど日本とフランスの芸術の重要な橋渡し的存在として活躍を見せます。
フランスを含めたヨーロッパへの取材旅行を重ねる一方で、岐阜県美濃加茂市にある昭和30年代の里山を再現した日本昭和村の自然と環境を好み、日本昭和村に自らのアトリエを持つなど日本の古き良き時代の風景も愛し、作品を残しています。
その作品の一部は日本昭和村にも寄贈されており、南ヨーロッパに惹かれながらも日本の風景を愛する画家として近年では個展を中心に作品を発表しており、今後の活躍が期待されています。