ドナルド・ジャッドアメリカの画家、版画家、美術評論家など様々な顔を持つ美術家です。
シンプルな形と色を使用して表現するミニマルアーティストとして広く知られています。
ドナルド・ジャッドはアメリカのミズーリ州に生まれました。
アメリカ合衆国陸軍に入隊し、およそ10年間韓国に駐留していた経験を持ち、除隊後はコロンビア大学で哲学、アート・スチューデンツ・リーグで絵画を学んだ後に画家として活動を始めました。
この頃の作品はミニマルアーティストして活動している頃には見られない抽象的表現が主でした。
画家として活動を始めてからおよそ7年後にコロンビア大学に再入学し、大学院で美術史を研究した後に修士号を取得すると評論家としても活動を行い、「絵画の終焉」を主張するようになります。
ドナルド・ジャッドの作品制作は絵画からスタートし、版画などと共に美術評論で高い評価を受けていましたが素材に金属を使用するなど徐々に幾何学的要素の強い立体作品に移行していきました。
作風としては直線的な箱型の作品を繰り返し制作する事からスタートし、壁に同じ形をした箱状の立体が直線的に並べられる「スタック」と呼ばれる代表作を生み出しました。
この他にも屋外に設置される円形の作品を制作しています。
この頃の制作拠点はテキサス州となっており、自身の作品や他の作家の作品を展示するためにDIA美術財団の援助を受けてテキサス州マーファにあった陸軍跡地を買い取っています。
しかし、悪性リンパ腫との戦いの末、66歳で惜しまれながらもニューヨークでこの世を去りました。
残されたマーファの土地建物の一部はチナティ・ファンデーションが管理をしており、ドナルド・ジャッドや他のミニマルアート作家の作品を一般公開しています。