ディエゴ・ベラスケスは変化に富んだ描写技法、豊かで深い色彩にはっきりとした明暗法などの特徴があるバロック絵画を代表するスペインの画家です。
ディエゴ・ベラスケスはセビリアの地位の高い家庭に生まれましたが、ユダヤのコルベンソの家系であった事は生涯隠していたとされています。
11歳の頃に当時有名だったフランシスコ・パチェーコに芸術センスが認められ弟子入りしました。
見習い期間が終わるとディエゴ・ベラスケスは当初、リアルに風景画などを描く自然主義を手掛けていたそうです。
それからおよそ3年後にパチェーコの娘であるフアナと結婚しました。
その後にキャリア向上の為にマドリードを訪ねます。
王宮からの依頼で最初の仕事となったフェリペ4世の肖像画が評判となり、宮廷画家の使命を受ける事になりました。
ディエゴ・ベラスケスの仕事は肖像画だけではなくリアルとファンタジーを融合させ、境界線をぼかす独自の世界感をもつ神話画も描き始め王族を喜ばせ続けたといわれています。
ディエゴ・ベラスケスの作品の特徴としては視覚効果を重要視したスペイン絵画独自の写実主義的陰影法を発展させました。
また後期の作品に多くなるのですが、作品に自分自身を登場させています。
一見アピールがかなり強い画家と捉えがちですが、特に代表作である「ラス・メニーナス」「ブレダの開城」などからは「人情がテーマ」とも考えることの出来る作品もある事から気高く、作風に悪者を感じさせない人物であると考えられ評価されています。
晩年は王宮の役人としても活躍しながら作品を完成させていたといわれ、フランス国王のルイ14世の婚儀の準備で走り回った事で肉体的に負担がかかり、病に倒れマドリードで惜しまれつつもこの世を去りました。