いわの美術でお買取りしました、伽羅の香木をご紹介いたします。
沈香のなかで最上級とされる伽羅は香りの王者と名高く、産出地はベトナム南部に限られ、金より価値があるともされる希少な香木です。
香木には長い歴史があり、高級品である伽羅は各時代の権力者に重用されました。
日本でも足利義政や織田信長が伽羅を好んだと伝えられています。
香木とは?
良い香りのする木材は檜やヒバなどがありますが、香木はより強い香りを持ち香道で用いられる、沈香や白檀などを指します。
伽羅・沈香の原木は東南アジアに自生する沈丁花科の樹木で、これが湿地帯に埋まり健康でない状態となると、樹木自体が芳香のある樹脂を分泌します。
腐敗せずに数1000~数100年かけて熟成し、樹脂の重さによって水に沈むことが沈香の由来となっています。
樹脂の組成によって香りが決まる天然の産物であるため、人工的に同じ香りを作るのは不可能であり、また原木は年々採取が難しくなっています。
日本の香道
香木は東南アジアが原産で、日本には漂着したものが最初の記録となっています。
日本書紀には553年に大阪に香木が漂着し、欽明帝の命で仏像2体が造られ吉野の寺に納められ、595年には淡路島に漂着した香木が朝廷に献上された記述があります。
その後、中国から仏教とともに香文化が伝来し、始めは宗教儀式において用いられました。
平安時代になると貴族が香りを鑑賞するようになり、鎌倉時代には禅の教えが加わり武士にも好まれ、室町時代に茶道・華道と並ぶ上流階級の芸道の一つとして香道が完成します。
馬尾蚊足
香道では、香炉に詰めた炭団の上に銀葉を置き、3㎜角ほどに小さく切り出した香木を置いて焚く「聞香」での楽しみ方が主流となります。
日本で産出しない貴重な香木を大切に使うため、この僅かな木片を「馬尾蛇足」と呼び、焚くのに最適な香木の量としてきました。
奈良の正倉院には鎌倉時代以前に渡ってきたとされる、「黄熟香」という巨大な香木が収められており、足利義満、義政、織田信長、徳川家康らが切り取っていったとされています。
香木の種類
香木には最良とされる6種と、香りの性質5種があります。
それぞれを纏める「六国五味」という呼称は、室町時代に誕生しました
伽羅(きゃら)、真那賀(まなか)、羅国(らこく)、真南蛮(まなばん)、佐曽羅(さそら)、寸門陀羅(すもんだら)
これら6種を香り5種、甘・酸・苦・辛・鹹(かん/塩辛い)で分類しました。
香木のお買取り強化中です!
香木の多くは希少な品として、お買取りのお品物のように化粧箱に納められているケースが多くあります。
一見小さな木片であっても、お線香のような強い香りを放つものですと、香木である可能性が高いです。
1000年以上の伝統をもつ香木も、20世紀に起きた戦争や工業化・人口増加によって、新たに採取することが難しくなっています。
そのため古くから保管されていた香木はとても稀少で、高値買取が可能となります。
伽羅・沈香・白檀などの香木がございましたら、いわの美術へご連絡くださいませ。
骨董品、絵画や陶芸など美術品、茶道具、書道具など他のお品物と合わせてのお買取り
も歓迎しております。