こちらの作品は、箱根細工の名工・二宮義之による仕掛けが入った秘密箱です。
簡単には開かずパズルのように7個の仕掛けを解いて開けることから『七回秘密箱』と呼ばれていて、隙間が一切なく、精巧な仕掛と洗練された箱根細工の装飾は、妥協を許さない二宮義之だからこそ生み出せるアートです。
また、蓋中央の天馬の木象嵌は、まるで筆で描いたようだと言われる小田原の名工 内田定次が作り上げました。
こちらは二宮義之の作品集『箱根木楽 二宮義之の手仕事』の表紙を飾った作品でもあり、非常に貴重なお品です。
二宮義之
神奈川県の箱根・秘密箱の職人の家に生まれた西宮義之は、小さい頃から家業を手伝っていました。
しかし厳しい父と家業を嫌い、学校卒業後は軍需工場で働きます。
16歳の時に終戦、工場も空襲で焼けてしまったこともあり、故郷に戻り本格的に木工を始めました。
戦後しばらくは米兵の土産として秘密箱がよく売れ順調でしたが、やがて高度成長期となり伝統産業には不遇の時代となります。
副業や妻のパートで家計を支える苦労の日々でしたが、42歳の時にコンクールで入賞を重ねたことがきっかけとなり、活躍の場が広がりました。
そして個展を10回も開催するなど、箱根細工の職人としては異例の功績を収めたのです。
また『からくり創作研究会』の会長として次世代の育成にも貢献してきました。
生涯現役を信じていた2015年、作業中に脳梗塞を発症し、その後遺症で肩から指先までが痺れ、以前のように作業ができなくなってしまいます。
ですが、その後は手の訓練を兼ねて寄木を削った栞を作成するなど、リハビリに励んだそうです。
2018年には作品展を行っており、箱根細工の伝統伝承者そして長老として積極的に活動をしています。
秘密箱
箱根での木工細工の起源は、平安時代と言われています。
江戸時代末期には箱根が観光地となり、土産物として寄木細工が人気となりました。
職人達が技を磨き、アイデア商品を次々と出して行く中、1894年に秘密箱が登場します。
秘密箱は箱根湯本の指物職人である大川隆五郎が考案した物で、寄木の模様が秘密箱の仕掛けを隠す良いカモフラージュとなったのです。
二宮義之の父親はこの大川隆五郎の流れを組む工房で修行し、技法は二宮義之にも継承されました。
二宮義之は大川式の技術も入れつつ秘密箱の仕掛けを更に複雑にしていきます。
加えて精度も手触りも良く、伝統の技法に独自の美しさがあり、国内のみならず世界的にも評判となりました。
秘密箱は構造が非常に複雑で、現在では伝統的な秘密箱を作れる職人は少なくなっています。
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