今回、いわの美術がお買取りしたお品物は、備前焼の獅子を模った置物です。
獅子にもサインや落款がなく、共箱もない状態でしたが、日本六古窯の一つである備前焼の焼物という事で、備前焼はコレクターも多く、獅子を模った置物は縁起物としても好まれており、人気があるため、買取を行いました。
お品物自体は、デザインやバランス、技術などとても素晴らしいものでしたが、残念ながら、所々に破損が見られたため、その分はマイナス評価となっての買取になりました。
備前焼は岡山県備前市周辺を産地する陶器で、備前市の中でも伊部地区が盛んである事から別名「伊部焼」と呼ばれています。
備前焼が盛んな地区へ行くと、煉瓦造りの四角い煙突が何本も並んでいるとても面白い風景が見られ、観光に訪れる人も多いそうです。
備前焼の最大の特徴は釉薬などを一切使用せず、固く焼き締めた酸化焔焼成による赤みの強い色合いと、窯変によって生み出される文様です。
窯変は1つとして同じ物が出ないため、同じ形の備前焼でも「胡麻」「桟切り」「牡丹餅」「青備前」「黒備前」など呼び分けがされており、模様の出方によって雰囲気が変わってくる楽しみがあります。
主に茶器、酒器、皿、置物を製作している事が多く、使い込む程に味が出る焼物として料亭などでも好んで使われています。
また、重要無形文化財(人間国宝)に認定された作家も多く、金重陶陽、藤原啓、藤原雄、山本陶秀、伊勢崎淳などがいる事でも知られており、作家物の備前焼は高価買取が期待できます。