今回いわの美術では、二王清貞の脇差をお買取り致しました。
二王派・二王清貞
二王清貞は山口県で刀の製作を行っていた二王派の一人です。
二王派とは、鎌倉時代に発足され室町時代まで活躍した刀工の一派で大和伝と呼ばれる伝法の一つを主に製作していました。
二王派が得意とする大和伝は、710年大和国(現在の奈良県)に首都が置かれた際、政権の庇護の元作刀製作が行われた事が始まりとされています。
大和伝の始まりが奈良県、二王派の始まりが山口県と離れた県で共通点はないのに何故二王派は大和伝を製作するようになったのでしょうか。
その要因は、大和伝の製作を行っていた大和国の鍛冶職人の存在でした。
二王派が拠点としていた山口県には、大和国東大寺の私有地が数多く存在し、そこに来ていた大和国の鍛冶職人と二王派の交流があった事から、二王派に大和伝の技法が伝わったとされています。
また、二王派の名前の由来ですが、鎌倉時代中期頃の初代二王清綱が、大和国にあった仁王堂が火災になった時、自らの太刀で堂の鎖を切って中の仁王像を救出した事や山口県にある仁保庄に刀工が居住した事などの説があるそうです。
二王清貞 脇差
今回いわの美術がお買取りした二王清貞の脇差は、中直刃と呼ばれる少し厚みがあり真っ直ぐな刀紋と、刀に模様のようなものが彫られているのが特徴です。
こちらの模様は刀彫刻において比較的多く用いられている陰刻と呼ばれる技法で彫られ、刀の表面を凹ませて図柄など簡潔に表しているのが特徴です。
また、刀に作者銘などが彫られている柄に隠れた茎と呼ばれる部分の先が三角のようにとがっているところは二王派の特徴とされています。
今回お買取りした脇差は、刀に少し汚れがあったものの、流通数が少ない二王派清貞の作品という事で高評価にてお買取り致しました。
床の間に飾られている刀や、倉庫・蔵に立てかけられている刀などの売却をお考えでしたら、是非いわの美術までご相談下さい。
弊社いわの美術では、刀の高価買取を行っております。
今回ご紹介した脇差以外にも、日本刀や槍、短刀、サーベル、軍刀など様々なお品物をお買取りしております。
模造刀など切れない刀でしたらそのままお買取りも可能ですが、実際切れる本物の刀ですと登録証が必要となります。
登録証がありませんと、持ち運びや売買が法律上出来ませんので刀の売却をお考えでしたら、まず刀を確認して頂き、本物でしたら最寄の警察署に届け出を必ず出してください。
買取可能な刀工
近江守助直・孫六兼元・羽山円真・長船祐定・源清麿・藤原清人・豊州定盛
相州貞宗・佐伯則重・堀井秀明・和泉守兼定・同田貫上野介・河野貞光などなど