このお品物は栃木県のお客様よりお買取させていただきました。 明珍宗妙(みょうちん そうみん)が製作した軍配(軍配団扇)。 銘には『日本唯一甲冑良工 明珍大隅守紀宗妙』との記載がある。 1791年から翌年に、明珍宗妙は父:明珍宗政と共に甲斐武田家伝来(元は源義光伝来)の大鎧『楯無』修復を行った人物である。 武骨な鉄軍配の面に『疾如風』つまり『疾(はや)きのこと風の如く』という文字が 盛り上げで細工されている。 これは孫子の句の軍争篇第七から「故其疾如風、其徐如林、侵掠如火、難知如陰、不動如山、動如雷霆。」の部分から引用 されたと思われる。 この軍配の文字と島津家が一体どういったつながりを持つのか 非常に興味をそそられる品物です。