写真の刀剣は、いわの美術で先日お買取りいたしました旧日本軍軍刀です。
通称「太刀型軍刀」と呼ばれ、制定から終戦までの間、海軍士官が佩刀しました。
旧日本軍の軍刀は明治32年から陸海軍ともにサーベル型で、新しい西洋文化を吸収する時代に即したものでした。
昭和前期は世界恐慌による世情悪化から、一次大戦後の軍縮路線が崩れ第二次世界大戦へ向かう時代でした。
日本でも5.15事件に続き国際連盟脱退、2.26事件と軍備増強に向け揺れ動いた時期で、国粋主義の高まりにも後押しされ、軍刀も日本的な太刀型に変更されます。
陸軍ではすでに昭和9年に通称九四式軍刀へ刷新され、海軍は遅れる事3年後の昭和12年に新刀を制定します。
陸軍に比べ儀仗色の強かった海軍の軍刀は、新刀でも同様に木鞘に黒漆塗りや二佩鐶の金金具が美しい仕上がりとなっています。
また、戦時下で物資不足から次第に軍刀も素材の変更・装具の簡素化が図られ、陸軍刀ほど顕著でないものの、佩鐶が1つになり、海上での塩害を想定し刃はステンレスに変更されました。
写真の昭和12年制海軍軍刀は2本ありますが柄巻の色をはじめ刀装具の錆の有無などが異なり、制作時期または使用頻度が異なっていたことが伺えます。
旧日本軍軍刀は、戦後GHQの接収時代に多くが没収と廃棄の憂き目にあっています。
幸いなことに保持されてきた品物は中古市場で人気が高く、需要の高いお品物となっています。
いわの美術では旧日本軍の軍服・軍刀・装備品、近衛兵、大礼服などをお買取りしております。
そのほか美術品・骨董品も幅広いお取り扱いがあり、複数まとめてのお買取りが可能です。
ご売却をお考えの際にはぜひご利用ください!